パリで行きたい美術館18選──定番から新名所、現代アートから新石器時代の装飾品まで【2024年版】
10. 国立ピカソ美術館
ピカソ美術館というとまず思い浮かぶのはバルセロナかもしれないが、パリにも同名の美術館がある。画廊やストリートアートが最も多く集まるマレ地区に位置する同館は、ピカソの遺族が70年代にフランスに寄贈した作品を中心に、絵画や彫刻、版画など約5,000点の収蔵作品をもつ。美術館は17世紀に建てられたバロック様式の邸宅「オテル・サレ」内にあり、建物自体も歴史的建造物として保護されている。 パブロ・ピカソ没後50年の節目に開催された回顧展では、ゲスト・キュレーターとしてファッションデザイナーのポール・スミスを招へい。ピカソの作品を遊び心たっぷりに紹介した。また、同年に開催されたフランス人アーティスト、ソフィ・カルの個展では、カルの方針でピカソの作品のほとんどを撤去。梱包された状態のピカソ作品を撮影したシリーズの展示など、その奇抜なアプローチも注目された。ピカソというひとりのアーティストの作品を軸に、さまざまな視点から文脈を編み直す同館の企画展は、毎回新しい発見をくれるだろう。 基本情報 休館日:月曜日 入場料:16ユーロ 公式サイト:https://www.museepicassoparis.fr/
11. ロマン派美術館
19世紀に作家や芸術家が集ったヌーベル・アテネ地区(当時あったカフェにちなんだ呼び名)にあるロマン派美術館は、1811年にパリに移住したオランダ系フランス人画家アリ・シェフェール(1795-1858)の旧宅を利用している。シェフェールと同時代のアーティストたちの作品は2階に展示され、1階には作家ジョルジュ・サンドに関する肖像画や家具、18~19世紀の宝飾品などがある。 シェフェールが住んでいた当時、ここには同世代の画家ウジェーヌ・ドラクロワ、音楽家のフレデリック・ショパン、フランツ・リスト、ジョアキーノ・ロッシーニ、オペラ歌手のポーリーヌ・ヴィアルド、作家のイワン・ツルゲーネフやチャールズ・ディケンズなどが集まった。弟のアンリ・シェフェールとともに制作に使っていたアトリエは石畳の中庭に面していて、現在は企画展用のスペースになっている。庭の温室には雰囲気のいいカフェがあり、おいしいキッシュなどの軽食が楽しめる。 見るべき作品 ●ジョルジュ・サンド《CIRCA》(1837) 基本情報 休館日:月曜日 入場料:無料 公式サイト:https://museevieromantique.paris.fr/fr