シリア国境でレバノン難民急増 なかには帰国のシリア難民も
ジュディデト・ヤブース、シリア、9月26日 (AP) ― レバノンのイスラム教シーア派武装勢力ヒズボラに対するイスラエルの空爆が激しさを増すなか、内戦下にあるが比較的安全な隣国シリアに避難するレバノン人が急増している。 国連関係者は、数千人のレバノン人が既にシリアに入国していると推定しているが、その数はさらに増えると予想している。 9月23日から、シリア国境を目指すバスや車の列が数キロに及び、なかには徒歩でシリア国境を目指すレバノン人家族の姿も見られた。 国境に到着しても、国境職員が圧倒的に不足しているため、シリアへの入国審査には数時間かかる。 シリア人の場合、再入国には100ドルをシリアの通貨ポンドに両替する必要がある。 シリア国内により多くのドルを流入させることで、自国通貨を下支えしようとする措置だが、突然の需要急増のため、国境でのシリア・ポンドが不足しているという。 レバノンが2011年に始まったシリア内戦から逃れてきた100万人以上のシリア難民をいまだ受け入れていることを考えれば、レバノンからの難民の流入は驚くべき運命の逆転といえよう。 レバノンでは約77万5000人のシリア人が国連難民局に登録されており、さらに数十万人が未登録であると考えられている。 しかし、難民としてレバノンに入国したシリア人は、反政府組織とのつながりを疑われて逮捕されたり、徴兵されたりすることを恐れ、あるいはレバノンを離れれば、難民としての地位を失う可能性があるため、帰国を渋っている。 (日本語翻訳・編集 アフロ)