ミャンマー西部の国軍司令部が陥落か 少数民族武装勢力が制圧発表
国軍と武装勢力との内戦が続くミャンマーで、少数民族武装勢力「アラカン軍(AA)」が21日、西部ラカイン州にある国軍の軍管区司令部を制圧したと発表した。国軍が全国に14ある軍管区司令部の一つを失うのは、8月に北東部シャン州で別の勢力に陥落を許して以来2カ所目。各地の戦闘で国軍の劣勢が鮮明になっている。 【写真】アヘン生産、ミャンマー世界最大のまま 内戦で困窮「食料買うため」 AAはラカイン州での自治権拡大をめざす少数民族ラカイン族の武装勢力。21日の声明で、州中部にある国軍の西部軍管区司令部を「完全に支配した」と主張した。現場の司令官らも拘束したという。一方、国軍側は今のところ、反応を示していない。 国軍との戦闘を繰り返してきたAAは、一時的な停戦を経て昨年11月に攻撃を再開。今月、ラカイン州北部のバングラデシュとの国境地帯を支配下に置いた。今回の司令部制圧で同州内にある17郡区のうち13郡区を掌握したとみられ、州内で勢力を急拡大している。 全国で武装勢力との戦闘を抱える国軍は8月、中国国境に近い北東部シャン州の軍管区司令部を「ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)」に制圧された。司令部を置いた北東部の主要都市ラショーの支配も失った。
朝日新聞社