高齢化進む団地の商店街を大規模リノベ! 名物・商店街バーガー、駄菓子屋など新店も続々、子どもも高齢者も街歩きを楽しみだした 千葉県千葉市「花見川団地」
商店街の北エリア、そして持続可能なまちづくりへ
2024年3月、「花見川団地商店街リノベーション」のお披露目会では、「商店街バーガー」をはじめ、「お休み処えがお」や蘇った建物、広場がお目見えしました。3年をかけたまるごとリノベ計画は大成功といっていいでしょう。では、今後の展望はあるのでしょうか。 「商店街が元気になることで、住民の方に喜んでもらい、周辺の方にも喜んでもらえるのが、我々としてはいちばん望ましい形かなと思っています。今は月1回のワークショップやイベント時に盛り上がりますが、これが2週に1回、毎日というように、日常化していくのが望ましいかな、と。あとは商店街のテナントにまだ空き店舗があるので、ここに新しく入ってもらえたら」とURの濱口貴裕さん。 見通さんも同じ見解です。 「『えがお』がある商店街の南側は、もう大丈夫だなと思っています。ビアガーデンのようなイベントも開催しているし、日々のにぎわいもうまれ、活用の場としてまわりはじめている。一方で北側はまだ空き店舗も多いし、建物のリノベもまだ。ここを改善していけたらいいですね。住んでいる方、URの職員さん、千葉市の職員さんとも話すんですが、飲食店のようなゆっくりできる場所がね、花見川団地にはないんですよ。どんなお店になるかわからないですけど、実現できたらなあと思います」 今回の「MUJI×UR団地まるごとリノベーション」、建物のリノベだけでなく、ソフトでコミュニティをつくる仕掛けをしたこと、問題意識を共有し周りを巻き込んで解決していったこと、何より時間をかけて合意形成をしたことが成功の要因だったように思います。日本全国には同じような築50年、60年の建物がたくさんあることでしょう。それらは活用次第で、価値ある不動産として蘇るのだなと実感しました。不動産を「負動産」にするかどうか、まだまだ挑戦ははじまったばかり。地道なことからコツコツと、できることはまだまだたくさんあるのではないか、そんな取材となりました。 ●取材協力 花見川団地(UR都市機構ホームページ) MUJI×UR団地まるごとリノベーション
嘉屋 恭子