【朝日杯FS】勝ち方よりもゴール後に表れていたアドマイヤズームの計り知れない伸びしろ
[GⅠ朝日杯フューチュリティステークス=2024年12月15日(日曜)2歳、京都競馬場・芝外1600メートル] 15日、京都競馬場で行われたGⅠ朝日杯FSは、5番人気のアドマイヤズーム(牡・友道)が2番手追走から抜け出して完勝。未勝利突破直後のGⅠ参戦であっさりと勝利をおさめた。良馬場の勝ち時計は1分34秒1。2着ミュージアムマイルに2馬身半差をつけた同馬のポテンシャルはどれほどのものか? レースを検証し、関係者の談話をもとに同馬の今後を推察してみたい。
川田は4コーナーで勝利を確信
未勝利を勝ち上がったばかりの馬と思えない強さだった。スローペースの2番手を進み、直線であっさりと抜けてきた…と表現すれば、枠(2番)と展開のサポートもあった勝利と思われそうだが、マークした上がり3ハロン33秒6は出走馬最速で、33秒台も2着ミュージアムマイルと2頭のみ。ラスト2ハロン10秒9―11秒0のラップ構成は単純に能力の違う馬のそれだ。 実際、騎乗した川田も「しっかりと我慢することができましたし、3~4コーナーもスムーズに下ってこれましたし、4コーナーで少しだけ反応を見たときに、しっかり動ける雰囲気になりましたので。もう負けることはないなと思ったので、なおさら丁寧に馬場を選びながら、今後のためにも…とある程度はしっかりと動かしながら乗ってきました」と直線に入る前の段階で、すでに勝利を確信していたという。2馬身半の着差はそれだけで完勝と呼べるもの。だが、それ以上のワンサイドと思える内容を見れば、この馬の強さに疑問を持つ声はさすがに聞かれないだろう。 「コースの違い(内回り、外回り)はありますが、未勝利勝ちの時計(1分33秒9)が前日のデイリー杯2歳Sの時計(1分34秒7)よりも速かった。GⅠでもいい競馬ができると思いましたし、デビュー前から大きな期待をかけていた馬だったので」と戦前から大きな手応えを持った一戦であったことを明かした友道調教師。では、それほどの馬がどうして初戦勝ちできなかったのか?という話になってくるだろうが、それが同馬のウイークポイントであり、今後の伸びしろでもある。