【とっておきメモ】大魔神佐々木氏も口取りに参加「会長がいなかったら馬主の自分はいなかった」
<とっておきメモ> <朝日杯FS>◇15日=京都◇G1◇2歳牡牝◇芝1600メートル◇出走16頭 【写真】アドマイヤズームが立ち上がってしまい、思わず振り向く大魔神佐々木氏、加奈子夫人、友道師ら アドマイヤズームの口取り撮影には、ひときわ大柄な男性の姿もあった。“大魔神”こと、元メジャーリーガーの佐々木主浩氏(56)。ずらりと並ぶ関係者の中で、満面の笑みが輝いた。 冠名「アドマイヤ」の先代、近藤利一氏(享年77)に誘われ、07年に中央競馬の馬主免許を取得した。出合いは赤坂のすし店。偶然、同席していた友人のファンファーレの着信音を耳にした利一氏に声をかけられたことが全ての始まりだった。利一氏の死去後も、旬子オーナーとは加奈子夫人、友人らを交えて定期的に食事をするなど、交流を持ち続ける。 「佐々木主浩オーナー」の水色、白袖青二本輪、青鋸歯形の勝負服は「アドマイヤ」の勝負服(水色、白袖、青鋸歯形)にならったものだ。馬主免許取得直後に同オーナーから権利を譲り受けた馬がアドマイヤマジン。たまたま、馬名も自身の愛称にそっくりだった。名義変更直後、すなわちJRAの馬主としてのデビュー戦となった07年1月28日の未勝利戦で初勝利。「会長(近藤利一オーナー)がいなかったら、馬主としての自分はいなかった」。ヴィルシーナ、シュヴァルグラン、ヴィブロス。ともに何度もG1を勝った友道師とも、利一氏を介して知り合った。ことあるごとに感謝の思いを口にしていた。 人のつながりは続く。「アドマイヤ」のG1口取りに並んだのは、17年ヴィクトリアMを制したアドマイヤリード以来。当時は近藤夫妻の横に並んで、感動を分かち合った。今年の朝日杯FSは先代が亡くなってから初めての国内G1制覇。カメラを見据えながら、在りし日の恩人の姿を思い浮かべていたに違いない。【松田直樹】