有馬記念でラストラン! 武豊と松島オーナーが語るドウデュース「勝って死なないでくださいね(笑い)」
いよいよ今週末に迫った暮れの大一番・GⅠ有馬記念(22日=中山芝内2500メートル)で、日本中の競馬ファンから注目を集めるドウデュース(牡5・友道)。レジェンド・武豊とのコンビでこの秋は天皇賞・秋→JCを連勝とまさしく無双してきた。有馬連覇と秋古馬3冠達成は史上初の快挙。ホースマンなら誰もが憧れる夢の舞台にリーチをかけた武豊&松島正昭オーナーにとって、これまでの苦労と喜び、そして直前の心境はいかに? 三嶋まりえ記者が両者を直撃した。 【写真で振り返る】武豊ドウデュースの激闘 ――ラストランの有馬記念までもう少しです 武豊 すごく注目されているのを感じるね。ファン投票もすごい数。仕事場以外でも声を掛けられる。「ラストラン頑張ってください」ってよく言われるわ。 松島 一般の人も「応援してます」って言ってくれる。 ――ファン投票では歴代最多の47万8415票で1位 武豊 この馬は長く活躍していたから、それだけファンも多いのかな。 松島 ドウデュースファンは、武豊ファンやから。ほとんど武ちゃんやで。 ――ドウデュースとのこれまでを振り返って 松島 よかったよなあ。 武豊 もともと友達で、馬主さんになられて、勝つ馬はちょこちょこいたけど、これだけの馬は初めて。まだ勝ったことのなかった朝日杯を勝って、2歳チャンピオンになって、ダービー勝って、有馬記念勝って…。そんなうまく行くって、なかなかないからね。 松島 マンガやね。 武豊 そうなればいいな、っていうのは当然あった。僕らはそういう話ばっかりするから。この馬がこうなったらいいな、こんなレースを勝てたらいいなってなるけど、この馬はそれを実際に実現してくれている。なかなかないこと。 松島 それがうれしいわ。こういう馬に巡り合えて、武さんに乗ってもらえて、こんな思いをさせてもらえて…。奇跡やで。本当に。もう、うれしくてうれしくて。現実やもんね、ほんまに。 ――有馬記念連覇&秋古馬3冠を達成すれば史上初の快挙 武豊 いよいよ最後だからね。そりゃあもう、勝って終わりたいし、ドウデュースを勝たしてやりたい。連覇で秋古馬3冠。ただ、今までそういう馬がいなかったというのも現実。それだけ難しいことにトライする。でも、その権利を持っているからね。 松島 ドウデュースと武さんのおかげやわ。こんないい人生ないよな。楽しいあと1週間やわ。これに終わらず、また武さんに乗ってもらって。 ――ドウデュースの子どもで…という夢も広がる 武豊 ドウデュースは引退だけど、またこういう馬を持って、僕が乗れたらいいなというのは、いま二人で話しているところです。 松島 そうせな、こっちは抜け殻になってしまうもんな(笑い)。 武豊 そうやって続いていくのが競馬のいいところ。ドウデュースの子どもでまた大きいレースに挑めたら…。ってなると、ずっと乗っていかなあかん(笑い) 松島 武ちゃんが引退する前に、俺が死んどるわ。 武豊 有馬記念で勝って、死なないでくださいね(笑い) 松島 せやねん。ダービーの時は脳焼けたけどさ、昨年の有馬記念の時はもうホッとして。あとはそんなに焼けてへんねんで。 武豊 ドウデュースはピンチを救ってくれる馬かなって感じがする。今年も春は苦しくてしんどかったけど、秋はポンポンと勝てて。最後はいい形で、と思います。ハッピーエンドで終わりたい。ドウデュースがすごいことに変わりはないんだけどね。 松島 もちろん、そうあってほしいけど、こんだけ武ちゃんにしてもらったら、もう十分やわ。3冠に挑めんねんで。それだけですごい。その環境がすごい。ありがたいわ。感謝しかない。