昭和、平成、令和…料理家3世代の肉じゃがを見たらこんなに違った!
あなたにとってベストな肉じゃがはどんな肉じゃがですか? そう聞かれたら、みなさまなんと答えるでしょうか。 【写真】昭和・平成・令和の「料理家と肉じゃが」を連続写真で見る 肉は牛肉か、豚肉か、それとも鶏肉か。出汁をつかうか、使わないか……。 「国民食」「おふくろの味」とも言われる肉じゃがも、様々な顔があって当然です。 では、長く作り続けられている日本のソウルフードに「時代」はどんな影響をもたらしたのでしょうか。『お料理家計簿』75周年を記念して作成された『『お料理家計簿』75年進化のレシピ 残したい味・作り続けたい味』からレシピを抜粋し、まとめてみました。
料理家3世代、おふくろの味“肉じゃが”に変化が?
毎年約400点の料理を撮り下ろして掲載している『お料理家計簿』。雑誌「婦人倶楽部」の家計簿の付録から始まって2025年版で75周年を迎えます。この間に昭和、平成、令和と働く女性が増え、核家族化が進み、ライフスタイルが大きく変わりました。家庭料理も毎日の食卓では気づきにくいですが、長い目で見ると、オーブンや電子レンジの登場で調理方法が変わり、調味料、食材の種類が増え、時短料理が主になり時代に合わせどんどん進化しています。 『お料理家計簿』では村上昭子先生、杵島直美先生、きじまりゅうた先生と3世代にわたってレシピと料理製作をお願いしてきました。料理の源流は同じでも、時代に合わせて、調理法や味付けが変わってきています。「おふくろの味」=肉じゃがという時代もありました。 その肉じゃがを作っていただくと、3世代でどう違うのか? 同じ料理でも食材が違ったり、作り方が違ったりと、パッと見ただけで「子供のころの肉じゃがってこんな感じだった」とか「そういえば最近は細ねぎを使うなぁ」などあらためて変化を感じます。さて、どの肉じゃがに郷愁を覚えるでしょうか?
家庭料理の草分け 村上昭子先生の肉じゃが
村上昭子先生といえば、昭和のおふくろの味。家庭料理をメディアで紹介する草分け的な料理研究家として知られていました。 村上先生の肉じゃがは牛肉と彩りに添えるグリンピース。肉と相性のいい白滝とにんじんなど加えて具だくさん。家族の健康を守る栄養のバランスや、やりくりを工夫するのが家庭料理のよさだというのが持論でした。たくさんの量を作るのもその当時の特徴。この当時の家計簿の基本分量は4人分。2016年からは2人分に変更しています。 【材料】(作りやすい分量・約6人分) 牛薄切り肉……200g じゃがいも(男爵)……小7個(700g) にんじん……1本 玉ねぎ……2個(400g) 白滝……2袋 グリンピース水煮缶……小1缶 A |砂糖、酒、みりん……各大さじ1 |しょうゆ……大さじ5と1/2 サラダ油……大さじ2 【作り方】 1)じゃがいもは皮をむき、半分に切って5分ほど水にさらす。 2)にんじんは皮をむき、1cm厚さの半月切りにする。玉ねぎは繊維にそって1cm幅に切る。水滝は水から2分ほどゆで、食べやすく切る。 3)牛肉は一口大に切る。サラダ油に熱して中火で炒め、肉の色が変わったら玉ねぎの1/2量と白滝を加えて炒める。玉ねぎがしんなりしたらじゃがいもを炒め合わせ、水をひたひたに注ぐ。一煮立ちしたらあくを除き、さらに中火で10分ほど煮てにんじんを加える。 4)再びひたひたに水を注ぎ、Aで調味する。中火のまま10分ほど煮て残りの玉ねぎを加え、煮汁をすくいながらじゃがいもにスーッと竹串が通るくらいまでさらに5~6分煮る。仕上げにグリンピースをちらして一煮する。 ※メモ 最初に入れる玉ねぎは味出しのためなので、煮溶けるくらいまで煮て、残りは形や歯ごたえを残して仕上げる。