BOX最年長世界奪取記録に挑む36歳の久田哲也に長谷川穂積氏直伝秘策あり…「勝つ自信しかない。人生をかけて可能性を信じる」
4月24日に大阪のエディオンアリーナ大阪で7度の防衛を誇るWBC世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗(29、BMB)に挑戦する同級1位・久田哲也(36、ハラダ)が7日、オンラインで会見、36歳6ヵ月での最年長世界王座奪取の日本記録更新へ向けて「自信がある」、「僕が世界王者にふさわしい」と豪語した。根拠は、35歳9か月の最年長記録保持者の長谷川穂積氏(40)に師事して授かった秘策…。6年前に一度は引退を決意したことがあるが、「限界を作ってはダメ。可能性を信じる」を信条に這い上がってきた。3人の娘を持つ36歳のパパさんボクサーが「ボクシング人生をかけて」快挙に挑む。
「世界王者として僕の方がふさわしい」
さすが大阪人である。36歳のチャレンジャーは明るかった。 「あと2週間半。勝つ自信しかない。楽しみにしてもらいたい。待たされたぶん“久田百裂拳”をお見舞いしますよ」 王者、寺地の名の由来である人気漫画「北斗の拳」の主人公ケンシロウの必殺技「北斗百裂拳」を逆にパクって、“アタタタタ“と、オンライン会見に参加している取材者を笑わせた。 昨年12月に食道ガンで亡くなったジムの会長、原田実雄氏の意思を継ぐ息子の剛志会長(52)も“弔い合戦”を前にして「最年長王座奪取記録を達成してもらいたい」と、期待を寄せ「拳四朗は禁酒しているんですか(笑)」とブラックジョークを口にした。 当初、昨年12月に予定されていた世界戦は、寺地が“泥酔、車ボコボコ事件”を起こしてJBC(日本ボクシングコミッション)からライセンス停止3か月などの処分を科せられて延期になった。すでに減量をスタートしていた久田は、「メンタル的にガックリきたこともあったが、色んな選手とスパーすることで自分の弱点も浮き彫りにできた」と、この延期期間をプラスに転じた。 それでもハラダジム陣営には、不祥事を起こして試合を流した寺地陣営へのうっ憤がかなりあるようで、久田は、皮肉を込めて「世界チャンピオンとして僕のほうがふさわしいことを証明したい」と挑発した。 自信発言の裏に根拠はある。 35歳9か月の最年長世界王座奪取の日本記録保持者で元3階級制覇王者の長谷川穂積氏にアドバイスを求めた。 「偉大なるチャンピオンに一番近い距離で見て感じたことを聞きたかった」と、2019年10月にWBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人(ワタナベ)に挑んで判定で敗れた試合の解説者を務めていたレジェンドの元を訪ねた。ボクシングの洞察力の高い長谷川氏からは2つの弱点を指摘された。「近い距離でしか戦えない」という久田のワンパターンのボクシングスタイルと、京口戦で右のカウンターでぐらつかせるチャンスを作りながらも「詰める練習やロープを背負わせるイメージができていなかった」という詰めの甘さだ。