因縁対決…WBC世界王者・寺地拳四朗4.24大阪V8戦決定も“泥酔車破損事件”で待たされた挑戦者陣営「怒っています」
プロボクシングのWBC世界ライトフライ級王者、寺地拳四朗(29、BMB)が4月24日にエディオンアリーナ大阪で同級1位の久田哲也(36、ハラダ)と指名試合を行うことが8日、大阪の新大阪ワシントンホテルプラザで発表された。寺地は8度目の防衛戦で久田は2019年10月にWBA世界同級王者の京口紘人(27、ワタナベ)に判定負けして以来2度目の世界戦。同カードは、当初、昨年12月19日に予定されていたが、寺地が泥酔して他人の車をボコボコにする“事件”を起こしていたことが発覚。12月1日付でJBCから3か月のライセンス停止、制裁金300万円、48時間以上200時間以内の社会貢献活動の処分を受けて延期になっていた。寺地は会見の冒頭で謝罪、“みそぎ”の世界戦とすることを誓ったが、久田陣営は昨年12月にジムの原田実雄会長が食道ガンで亡くなったこともあり「怒っています」と感情をあらわにした。因縁含みの注目の日本人対決となる。
過去に2度流れた因縁対決
記者会見は寺地の謝罪から始まった。 「前回は、私事の事件のせいで試合が中止となってしまい本当に申し訳ありません。今回はしっかり自分の調整をして絶対に勝ちたいと思います」 さらに質疑応答の冒頭でも「久田選手をはじめ、ジム関係者、たくさんの方にご迷惑をおかけして本当に申し訳ないという気持ちでいっぱいでした。また試合ができること、久田選手と組んでもらったことに感謝し素敵な試合を見せられたら」と深く詫びを入れた。 寺地は昨年7月に泥酔したあげく東京都内の自宅マンション近くの他人のマンション駐車場に侵入し車をボコボコにする事件を起こして週刊誌に報じられた。示談が成立して刑事事件にならなかったがJBCは世界王者が起こした事件の社会的影響を重くみて処分を科した。3か月のライセンス停止処分が2月末に解除され、85時間にも及ぶ東西での社会貢献活動を終えて、延期された試合が再度組まれることになったが、“待たされた側”の怒りは収まらない。 久田は2017年4月にも、当時、寺地が持っていた日本ライトフライ級王座へ挑戦予定だったが、寺地の世界戦挑戦が急遽決まったために流れた。これで2度目。昨年10月30日に36歳となった久田も「(試合中止は)ショックだった。このまま試合がなくなるのではとも思っていたが正式に決まりモチベーションは高いです。待たされた分、年はいっちゃいましたが、しっかりと準備して勝つ確率がさらに上がった。期待してください。最高のボクシングを見せます」と、皮肉をこめて世界タイトル奪取を宣言した。