僕の青春時代、アメリカ車はまさに「ドリームカー」だった!
1962年フォード サンダーバード スポーツロードスター。低く伸びやかなオープンボディのシルエットはただただ美しく、長大なボディと2シーターの組み合わせという贅沢さに強く惹かれる。赤のボディカラーと黒の内装もいいが、黒のボディと赤の内装の組み合わせの方が、インパクトは強烈かもしれない。 1964年フォード マスタング コンバーチブル。HTもクーペも好きだったが、「どれがいちばん?」と問われたら、やはり「コンバーチブル!」と答える。初めてアメリカに行った年とマスタングのデビューが重なる幸いに恵まれて、LAで1カ月ほどマスタングを乗り回すことができた(もちろんレンタカー)。お小遣いの都合で、いちばん安い6気筒のHTだったが、最高にハッピーだった。 1968年シボレー C3コルベット 。「コークボトルライン」と呼ばれたデザインは、僕の目にはもっとも「アメリカンなスポーツカー!」に見える。7.4ℓ ビッグブロック V8の迫力もたまらなかった。1980年頃、、LAで3日間、自由に乗る機会に恵まれたが、大切な思い出になっている。
1969年のシボレー カマロZ28。マスタングのライバルとして誕生したカマロの最強モデルだが、ルックスにも走りにもワクワクさせられた。 これら以外にも、50's~60'sで好きなアメリカ車はいろいろある。この時代に心惹かれるモデルが多いのは、きっと「アメリカらしい自由さ奔放さ」がもっとも解き放たれていたからなのではないか。 僕の本棚には多くの自動車写真集が置いてある。数的には欧州車が圧倒的に多い。でも、より多く手に取るのはアメリカ車の方。中でも、50's~60'sのそれがいちばん多い。
● 岡崎宏司 / 自動車ジャーナリスト
1940年生まれ。本名は「ひろし」だが、ペンネームは「こうじ」と読む。青山学院大学を経て、日本大学芸術学部放送学科卒業。放送作家を志すも好きな自動車から離れられず自動車ジャーナリストに。メーカーの車両開発やデザイン等のアドバイザー、省庁の各種委員を歴任。自動車ジャーナリストの岡崎五朗氏は長男。
文/岡崎宏司(自動車ジャーナリスト) イラスト/溝呂木 陽