帰ってきたファン声援がドラマ生む…名古屋、大阪、福岡で”3都サヨナラ物語”…中日・京田の感謝スピーチが泣ける
この日、試合が行われた5つのスタジムで唯一、ナゴヤドームでは、ヒーローインタビューが終わった後、ファンへの感謝を伝えるセレモニーが行われた。 暗転した場内で、一人マイクの前に立った選手会長の京田は手に持ったノートに書かれたメッセージを読み始めた。 最初に来場した中日、広島の両ファンへお礼を述べ、「オープン戦が無観客ではじまり、その後、開幕の延期が決まりました。その間、ファンの皆さまは、ステイホームを余儀なくされ、僕たち選手ももう一度、体を作り直すことにしました。正直、今年は、プロ野球を開幕できないのではないか、と気が滅入りそうになりました」と、新型コロナウイルスの影響で開幕が延期された間の苦悩を告白した。 「でも、僕はこの状況を決して恨んだりはしません」という。 そして「それ以上に、今現在も新型コロナと最前線の現場で戦い続ける医療介護従事者の皆さま、開幕へ向けて準備して下さったプロ野球関係者の皆さま、そして開幕を信じて待ち続けてくれたファンの皆さまへの感謝の気持ちの方が強いです」と感謝の思いを伝えた。 「自らにエールを。仲間にエールを。同じように、この日々に立ち向かうすべての人にエールを。応援が頑張りを生み、その頑張りが誰かの応援になる。そんな応援の力を僕たちは信じています。苦しみに立ち向かうとき、不安におしつぶされそうなとき、持ち続けなければならないもの。それが感謝と希望です」 「大切な日常を再び楽しめるように。笑顔が再び満ち溢れるように。僕たちは決して一人じゃない。今、すぐ隣にいないかもしれない仲間も、野球が大好きな僕たちは、ひとつのチームです。ナゴヤドームに来てくれたファンも、テレビで応援してくれているファンも、心をひとつに、この特別なシーズンを共に力強く乗り越えていきましょう。僕たちは、絶対に負けない。ワンブルー」 京田は、選手もファンもドラゴンズブルーに一緒に染まって戦おうという決意を示す「ワンブルー」というスローガンで感動のスピーチを締めた。スタンドに残っていた5000人弱のファンの拍手が鳴りやまなかった。新型コロナと共存しなければならないイレギュラーなシーズンは、ファンの力を借りて、共に乗り越えていくしかないのかもしれない。