帰ってきたファン声援がドラマ生む…名古屋、大阪、福岡で”3都サヨナラ物語”…中日・京田の感謝スピーチが泣ける
ナゴヤドームが勝利の余韻に浸っている頃、大阪の京セラドームでドラマが起きた。 オリックスは9回を1-3の2点ビハインドで迎えていた。マウンドには日ハムの“守護神“秋吉である。宗、吉田正と倒れて2アウトになった。敗色濃厚となったが、上限4000人に設定していたファンの熱い拍手が「最後まであきらめない」(西村監督)オリックスナインの心に火をつけた。メジャー通算282発男のジョーンズ、T―岡田が連続四球を選び、6番のロドリゲスにつなげたのである。 「前の2人が出塁してくれたので何とか自分の仕事をしようとだけ考えていた」 ファウルで2球粘った次のボールだった。外角低めのチェンジアップを強引に引っ張ると、低い弾道を描いた打球は、一直線でレフトスタンドに突き刺さったのだ。劇的な逆転サヨナラ3ラン。ニコリともせずダイヤモンドを回ったロドリゲスは、3点目のホームを踏む前にヘルメットを高々と頭上に放り投げた。 「非常にエキサイトしている。ファンが来てくれた最初の試合でこんなことになって興奮している。グレイトだ。打った瞬間に入ると思った。最高だ」 7月に入って3本、7打点と大爆発の新助っ人は、サヨナラホームランは初めてか?と聞かれ「そうではない」と、クビを振った。 西村監督も「(ファンを迎え)絶対に負けられないゲームですからね。そこで勝てた。ほっとしています。応援は我々にとって一番の力です」と、ファンの力が、2アウトからのドラマを生んだと感謝した。 その9分後。福岡PayPayドームでは、柳田がバットを天に突き上げていた。 ソフトバンクは、約1500人、約2500人、5000人と、段階的に客入れを増やす方針で、この日は、外野に人を入れなかったが、1839人のファンの拍手を受けながら、試合は東浜と則本の両開幕投手の息詰まる投手戦となった。2回。ここまで打率.162と低迷していた“熱男“が吠えた。外のボールをライトのテラス席へ運ぶ。72打席目にして、やっと出た先制の今季1号ソロ。「ファンと一緒に叫びたい」と語っていた松田は、ファンの拍手に目を覚ましたのだ。 ベンチ前で右拳を握りしめて「アツオ!」と叫ぶ。東浜も、12球団トップのチーム打率を誇る楽天打線を相手に踏ん張った。4回一死満塁から、太田の犠飛で同点とされたが、1-1のまま試合は延長戦へと入った。