本当に役立つ「熱中症対策グッズ」を準備しよう!キーワードは「身体冷却」
天気予報から聞こえてくる35度越えの最高気温に、思わず目眩がする近年の酷暑。だからといって、仕事に家事にと日常は待ったなし。子どもたちもスポーツや部活動など、外での活動が避けられないというご家庭もありますよね。 【画像8枚】「身体冷却」の方法とおすすめグッズを写真で見る。体を内側と外側から冷やすためにすぐ取り入れられるものばかり! いざ暑い時期が訪れたら、どうすればよいのでしょう。熱中症に詳しい広島大学大学院人間社会科学研究科の長谷川 博教授に、誰もが取り入れられる対策を伺いました。
体温が過度に上がると危ない
長谷川教授によると、熱中症で倒れたり救急搬送されたりする場合の深部体温は、40度以上にもなっているそうです。体温が過度に上がった状態が続くと、体はダメージを受け、場合によっては命にも危険が及びます。 「人の“深部体温”と呼ばれる臓器に近い部分の体温は、通常37度くらいです。38~38.5度くらいだとスポーツのパフォーマンスとしてはよいのですが、もっと上がって39度や40度になると危ない。足がつる、頭痛、体がだるいなど、熱中症の症状が見られます。 また、お子さんが暑い日に顔を真っ赤にするのも、体が火照っているサインです。思春期に入る前のお子さんは、まだ汗がうまくかけません。それにより体温調整ができず、熱中症になる場合があるのです」(以下「」、すべて長谷川 博教授) 大切なのは、こうした症状が出る前から、こまめに木陰や涼しい場所で休むこと。運動する前のウォーミングアップもよいそうです。 「体がうまく動き、脳が活性化するだけでなく、体温の急上昇を防ぐことができますよ」
「身体冷却」を取り入れよう
休息やウォーミングアップなど、気をつけていても、夏場は体温が上がりがち。そんなときに有効なのは、「体を内側と外側から冷やす『身体冷却』。これにより、過度に体温が上がることを防ぐことができます」。 すぐに取り入れられる方法やアイテムを教えていただきました。 ⚫︎1.首元や脇に「氷のう」をあてる 熱は、必ず高温から低温に伝わるという性質があります。それを利用したのが、氷のうや凍らせたペットボトルなどを活用した「熱放射」。近ごろ、首にくるっと巻きつけるタイプも増えているので、実践している方も多いはず。 「冷たいものを首や脇などにあてたり、手でぎゅっと握ったりすることで、体温を下げることができます」 ⚫︎2.手と腕を「アイスバス(氷風呂)」に浸す 「アイスバス(氷風呂)」は、プロアスリートも運動後の回復に使う方法。長谷川教授のおすすめは、15度くらいの冷水を満たしたバケツに、手のひらと前腕を浸すやり方です。 「手のひらには、動脈と静脈があわさる特殊な血管があります。これは普段は閉じていますが、暑さなどでいったん血管が拡張すると、大量の血液が循環します。手のひらを冷却することで、冷やされた血液が静脈を通じて全身を冷やしてくれるのです」 静脈をめぐって心臓に戻った血液は、今度は心臓から動脈を通り全身に送り込まれます。だから手のひらの血管を冷やすことが有効なのだそう。