本当に役立つ「熱中症対策グッズ」を準備しよう!キーワードは「身体冷却」
⚫︎4.風をおくる「ファン付きウェア」も有効 屋外で仕事をする方をはじめ、近年では外出時やスポーツ、登山などアウトドアアクティビティーをするときにも愛用者がいる「ファン付きウェア」。薄手のベストやジャケットに、バッテリーで動くモーター式の扇風機がついたアイテムです。 「熱中症の原因の一つが、湿度の高さや無風状態。ファン付きウェアで体の表面に風を起こすことは、外側からの身体冷却につながる。ハンディファンも含めて、取り入れるのはよいと思いますよ。 部屋の中なら、うちわであおいだり、扇風機をまわすだけでも随分変わります」
万が一、熱中症にかかったら?
どれだけ気をつけていても、またふだん元気と思っている人でも、油断は禁物。環境や体調などの条件で、誰もが熱中症になる可能性があります。 「まずは重症化しないよう、自分の体の変化に早く気が付くことが大切です。 そして、同じ経験を繰り返さないためにも、熱中症から回復したら分析しましょう。気温や湿度などの環境条件をはじめ、暑さに慣れていたか、肥満、高齢などの個人の要因、運動していたかなどを振り返ります。そして、起きたときと同じような環境に自分を置かないことです」 さらに、熱中症から回復して間もなくは、まだ体が弱っている状態。無理はせず、少しずつ日常を取り戻すことも熱中症を繰り返さないポイントとのこと。 恐れすぎず、でも軽く見ない。できる対策はどんどん取り入れて、何が自分に最適かを知る。全てのことに当てはまるかもしれませんが、熱中症もまたその一つ。長谷川教授からのアドバイスをもとに、どうぞ素敵な夏を!
【教えてくださった方】
長谷川 博教授 広島大学大学院人間社会科学研究科教授。1971年東京都生まれ。横浜国立大学大学院教育学研究科修了(体育学修士)。東京都立大学大学院理学研究科修了(理学博士)。運動生理学を専門とし、運動および環境ストレス時における生体反応や身体の適応反応について、生理学的手法を用いて分析。研究のキーワードは、熱中症予防、暑さ対策、身体冷却、体温調節、スポーツパフォーマンス。日本スポーツ協会「スポーツ医科学専門委員会スポーツ活動中の熱中症事故予防に関する研究プロジェクト」班員、国立スポーツ科学センター「東京オリンピック特別プロジェクト」研究員などを務める。
ニイミユカ