5球団スカウト評価…木製バットで京都独自ブロック大会”優勝”の龍谷大平安・奥村真大がプロ1本宣言…兄はヤクルトのあの人
8ブロックに分けて独自開催されている「夏季京都府高校野球ブロック大会」のAブロック決勝が京都のわかさスタジアム京都で行われ、龍谷大平安が“ノーノー継投”で京都成章を7-0で下し優勝を果たした。大型内野手としてプロ注目の奥村真大内野手(3年)は木製バットで臨み、2安打2得点1盗塁。ヤクルトの奥村展征内野手(25)の実弟は、最後の夏を終えて改めて「プロ1本」を明言した。ネット裏には阪神、ヤクルトら5球団のスカウトが集結。「右の大型内野手はどこも欲しい」と高い評価を与えた。
180センチ、80キロの右の大型内野手
木製バットを手にしていたのは両軍合わせてもこの男だけだ。”平安の4番・サード”の奥村からはプロ入りへの心意気が痛いほど伝わってきた。だが、スタンドプレーなどしない。平安の4番としての使命を全うした。まずは初回の攻撃。二死一塁で打席に入ると、追い込まれながらも外角直球を逆らわずに右方向へ。水を吸った芝生に打球が殺されるのを見逃さず、二塁を陥れ、先制の2点につなげた。 2ー0のスコアで迎えた3回には2死無走者から遊撃右を破る左前打で出塁すると盗塁も決め、チャンスを拡大。貴重な2点の追加点を演出した。 「いつもと違う大会ですが、試合前に原田監督の言葉を聞き、ラストのゲームということで気合が入りました。粘って、粘って、うしろにつなぐことができましたし、最後にふさわしい打撃ができたと思う。どこよりも厳しい練習をしてきましたから」 京都の独自大会は8ブロックに分けて7イニング制で開催され、通常ならベスト8の状況で終わりとなる。1回戦の京都工学院戦では木製バットで豪快な一発を見舞ったが、この日は、仲間と戦う高校生活最後の試合。プロにアピールするホームランよりもチームバッティングを優先させた。本来の1本足打法を封印したのもそのためだった。 「相手投手の投げ方がタイミングを合わせづらい感じだったので、足を上げると対応しにくい。それが分かっていたのできょうは足を上げずに、体を残してスイングすることを意識しました。向こうのピッチャーも低めに投げていて苦しめられましたが、ボールの見極めができたと思う」 180センチ、80キロの大型内野手。 プロ注目の右のスラッガーで、一発の魅力を含めたシャープなスイングが売りだが、そういう器用さもある。区切りのいい通算20発とはならなかったが、19発のうち1本は木製バットで記録している。