明石商の練習試合に編成トップらスカウト27人集結の異常人気…中森俊介が5回11三振の快投で今秋ドラフト評価急上昇
プロ注目の151キロ右腕・中森俊介投手(明石商3年)は4日、明石商グラウンドで行われた智弁和歌山との練習試合で今年初めて先発し、5回72球で1安打1失点の好投を見せた。9球団27人のスカウトが集結する中、5連続を含む毎回の11三振を奪った。同僚のもう一人のドラフト候補、来田涼斗外野手(3年)も存在感はアピールした。明石商は出場が決定していた春のセンバツ甲子園が新型コロナウイルスの影響を受けて中止となり、夏の甲子園も中止となったが、兵庫県では18日から独自大会が始まる。その大会出場の準備として組まれた好カードは、昨年のセンバツでの名勝負の”再戦”となり、明石商が智弁和歌山に4―1で勝利した。
ブランク明けの初先発で5回11奪三振
明石商のグラウンドには阪神、巨人、広島、横浜DeNA、西武など9球団総勢27人のスカウトが陣取った。試合前は小雨がぱらつくあいにくの空模様。しかも、この日から愛知と沖縄で「代替大会」が開幕しているにもかかわらず、西武、ヤクルトからは、それぞれ渡辺久信、小川淳司ゼネラルマネジャーら編成部門のトップがスタンバイした。さらに巨人はスカウトを兼務する水野雄仁巡回投手コーチがわざわざ視察に訪れるほどの力の入れようだった。 お目当ては、もちろん、明石商の中森&来田のゴールデンコンビだ。それに加え、智弁和歌山にも小林樹斗投手、細川凌平遊撃手の”二枚看板”が出場するとあって、スタンドはソーシャルディスタンスが取れないのではと心配になるほど熱気に包まれていた。 中森はネット裏の目を意識したのか、立ち上がりは不安だった。制球が定まらず、先頭打者に四球を与え、送りバントとヒットで1死一、三塁とされ、自らのワイルドピッチで先制点を献上してしまう。新型コロナウイルスによる部活動停止の影響を受けて、この日が、今年初めてとなる対外試合での先発。 「完成度が高い」と言われる右腕にとって、初回の入り方が、数少ない課題とされているだけに「全力で抑えに行く」ことをテーマにマウンドに臨んだが、気合が空回りする形となった。 「考えすぎて力んでしまった」 それでも、連続三振で後続を断ち、1失点でしのぐと、2回も味方のエラーと死球で2死一、二塁のピンチを招いたものの、ここも後続を断った。そこからは回を追うごとにピッチを上げていき、3回以降は1人の走者も許さず、三振の山を築いていく。