明石商がコールド発進。ドラ1候補の中森3回7奪三振&来田4打席全出塁に阪神の和田豊TAが「完成されている」と称賛
高校野球の兵庫独自大会は24日、高砂市野球場などで15試合を行い、2回戦には、中止となった今春センバツ出場校の明石商が登場、高砂に11―0で貫録の五回コールド勝ちで初戦を突破した。ドラフト1位候補の151キロ右腕・中森俊介(3年)は3回無安打0封で7奪三振。同じくプロ注目の来田涼斗外野手(3年)も2安打2四球と全打席出塁し視察に訪れた阪神の和田豊テクニカルアドバイザーが絶賛した。兵庫の独自大会はベスト8で打ち切りになるが、チームは「4戦4勝」を合言葉にしている。
中森は最速148キロをマーク
いつもと違う夏が始まった。スタンドには応援団はいない無観客。スコアボードに選手の名前はなく、公式審判は主審と一塁塁審の2人だけ。場内アナウンスもやや遅れがちだった。雨のため、30分遅れの試合開始となり、ともすれば緊張感に欠けるところだったが、それでも1年夏から甲子園を経験している明石商の”黄金コンビ”は自分の役割を演じきった。 エースの中森は、課題としている「初回と先頭打者を抑えること」をテーマに先発マウンドへ。いきなり2ボールとしたが、すぐさまカウントを整えると146キロの直球で空振り三振を奪う。続く打者も最後は落ちる球で2者連続の空振り三振。最後の打者は2球で追い込み、右邪飛と14球で3者凡退に打ち取った。 新型コロナウイルス感染拡大の影響で2カ月半近く実戦から遠ざかり、6月末から7月初旬にかけての練習試合では珍しく制球を乱す場面もあったが、実戦を重ねたことでコンディションもアップ。この日はストライクが先行した。2回は、相手の4番を3球三振に仕留めるなど、11球で簡単に料理。直球は常時140キロ台をマークしてMAXは148キロ。そこにカットボール、チェンジアップを効果的に織り交ぜた。 3回は、2死から四球を与えたものの、見逃しを含む3三振。9つのアウトのうち7つを三振で奪う圧巻の投球内容だったが、中森は、いたってクールだった。 「雨で下(マウンド)がゆるかったので、いつも以上に下半身に力を入れました。しかし、全体的に球が浮いていた。1つ四球も出してしまいましたし、良かったところは特にありません。立ち上がりと先頭打者を意識して臨み、真っ直ぐで空振りを取れましたが、変化球を見逃されていましたから」 向上心の強い中森は納得していなかった。