田中将大を巨人が獲得へ マウンドの外での役割も期待、球団内から「岩隈久志と重なる」の声
巨人が楽天を退団した田中将大の獲得に向けて前向きな調査をしていることがスポーツ各紙で報じられた。 【写真】巨人移籍後1軍マウンドに立たなかったが、現場の評価が高いのはこの人 今季1試合登板に終わった田中は、楽天から減額制限を超える年俸を提示され、自身の希望で自由契約を選択して楽天を電撃退団。これまで獲得に前向きな球団が報じられてこなかった。年内には去就が決まらず長期化すると見られていた中で、巨人が獲得に踏み出した経緯を、取材したスポーツ紙記者が語る。 「今年、田中はシーズンの大半をファームで過ごしましたが、昨年10月に右肘のクリーニング手術をして1年が経ち、来年は復活できると判断したのでしょう。先発の枚数は何人いても困ることはない。あとは楽天、ヤンキースで培った経験を若手たちに伝えてほしいという思いもあります。今年最多勝に輝いた菅野智之がポスティングシステムを利用して、オリオールズと契約したことが報じられましたが、菅野に代わるリーダー役としても期待が大きいです」 巨人投手陣最年長の35歳右腕・菅野が抜け、24歳の戸郷翔征と26歳の山崎伊織がダブルエースとして期待される中、36歳の田中将大に求められる役割はマウンド上でのパフォーマンスだけではない。日米通算197勝をマークした経験を若手に還元すれば大きな財産になる。 巨人の球団関係者は「歩んできたキャリアを含めて岩隈さんと重なる部分があります」と指摘する。 岩隈久志氏は近鉄の若きエースとして頭角を現し、楽天でも田中と共に先発の大黒柱として稼働。2008年に21勝4敗、防御率1.87で最多勝、最優秀防御率、最高勝率(.840)のタイトルを獲得した。11年オフに海外FA権を行使して移籍したマリナーズでも、シーズン14勝以上を3度マーク。日米通算170勝をマークしたが、右肩が限界を迎えていた。18年オフに日本球界に復帰し、巨人に入団したが、コンディションが上がらず19、20年と1軍登板なし。20年10月に東京ドームのシート打撃に登板した際に右肩を脱臼し、現役引退を決断した。