なぜカーリング日本代表は前日完敗のV候補スイスに“1日”で雪辱を果たし銀メダル以上を確定させたのか…決勝相手は因縁ライバルのイギリス…勝算は?
因縁のライバルである。平昌五輪では日本が勝てば準決勝進出が決まった1次リーグ第8戦で6-8と敗れ、ともに準決勝で敗れた後に再び対戦した3位決定戦で5-3と雪辱を果たし悲願の銅メダルを獲得している。銅メダルが決定した場面は今でも記憶に残る。有利な後攻のイギリスのスキップ、イブ・ミュアヘッド(31)の最終投は、まさかのミスショットとなり、実況アナの「No.1は、日本だ」という名セリフともにスチールした日本に軍配が上がったのである。その場面を「すごく難しいショットだったけど、もちろんいまも覚えています」とスウェーデン戦後に語ったミュアヘッドに率いられるチームに、ロコ・ソラーレは、昨年末の世界最終予選、そして今大会の1次リーグ第7戦で連敗を喫している。 もっとも、今大会に限れば宿敵・韓国に完敗を喫した翌日で、藤澤の、特にメンタルの状態が、どん底に陥っていた時期。いま現在とは違うと、スイス戦後に言葉をつむいでいる。 「私たちがやることは変わりません。自分たちの試合をチーム全員で戦い切るだけだと思うので、決勝まで時間があるなかで、また作戦会議をしたいなと思っています」 チームの絆で勝ち取った決勝進出を物語るように、試合後のテレビインタビューエリアには、43歳1ヵ月で男女を通じて日本の冬季五輪史上で最年長メダリストになることが確定した、リザーブの石崎琴美を加えた5人で初めて登場した。 出場機会こそないものの裏方として4人を支えてきた石崎、的確な指示を送ったリンド・コーチをはじめとする首脳陣、身体のメンテナンスを担当するトレーナー陣との絆を、そして日本から届く本橋さんやファンのエールを力に変えて、大会最終日の20日にイギリスとの一世一代のファイナルに臨む。