94歳の産婦人科医・堀口雅子先生直伝《ラクに老年期を過ごすための7つのヒント》「怠けていい」「人には頼る」「あなたがあなたを大切にする」…
女性ホルモンが減少すると、気分が落ち込みやすくなるもの。産婦人科に女性の医師が少なかった時代から60年以上、女性たちの悩みに寄り添ってきた堀口雅子さん。今悩みの渦中にいる人に向けたアドバイスは(構成=樋田敦子 撮影=藤澤靖子 イラスト=こやまもえ) 【写真】雅子さんと同じく産婦人科一筋の夫・貞夫さんと * * * * * * * ◆「たくさん頑張ってきたのだから、怠けていい」 女性として、妻として、母として、社会人として、今まで頑張ってきたのだから、休んでもいいじゃないですか。 完璧にこなさなければと思うと、できない自分にがっかりすることも出てきます。部屋の隅にホコリがあっても見ないふり。料理だって手抜きでいいんです。 私など床の上にごろんと寝っころがったまま、気づけば朝だったこともありますよ。 ◆「心地いい体の動きが脳を活性化させる」 心と体の健康のためには、全身をバランスよく動かすことが大事。94歳の今も実践しています。 最近は、夫と近所を散歩するのが日課。また2週間に1度は、フェルデンクライス体操というものを習っています。 この体操はユダヤ人の物理学者が考案したもので、脳を活性化するそうです。自然な呼吸のリズムでゆっくり動くことで、自分にとって一番心地いい体の動きに気づくことができます。
◆「人には頼りましょう」 「つらい」ならその状況を友人や家族などに伝えましょう。身近な人に相談できない時は、病院でカウンセラーを紹介してもらうのも一つ。 カウンセラーは話をじっくり聞いた後、プロの目線で現状から抜け出すヒントを提示してくれます。 頼れる選択肢は多いほうがいい。つらい時はつらいんだもの。遠慮せず、頼る勇気を持ってください。 ◆「あなたがあなたを大切にすること」 ただでさえ自分が疲れている時に、相手のことを考えていたらまいってしまいます。 落ち込んでいると、健康で活動的な友人に会っても、余計に気が滅入ったり、妬ましく思ったり。励ましの言葉に反発してしまうこともあるかもしれません。人生、そういう時もありますよ。 しばらくは距離を取り、自分を大事にする時間を持てば、ゆとりが出てきて人のことも大事にできるようになります。 ◆「『自分は何をしたいか』の重点を動かしてみる」 仕事から離れたり、子どもが自立したり……。担っていた役割がなくなると、うつうつとしてしまうことも。 そういう人は「自分がしたいこと」の重点をどこに置けばいいのかわからなくなっているのでしょう。 子どもが巣立ってしまったなら、別の位置に生活の重点を移していく時期。重点は友人との関係でもいいし、自分磨きでもいい。 新しい楽しみを掘り起こすと、うしろ向きな気持ちにストップをかけられますよ。
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