<侍JAPANの井端監督も>「みるみるうちに痩せていく」「入学式前に1/4以上が辞める」…二人の大物OBが振り返る「日本一厳しい亜細亜大野球部」での「プロになれた分岐点」
1年生はみるみるうちに痩せていく
阿波野 でも、そこで待っている夏練習がキツいんだよね。なまった体で戻ってきて、翌日からいきなり走り込み。8月のキャンプに行くまでの約2週間、あのランニングメニューが本当にきつかった。ピッチャーはウォーミングアップやピッチングが終わったら、メイングラウンドの横にある、ほぼ野球部しか使わない1周400mのトラックを走り続ける。 与田 1日のノルマは50周。トータル20kmですけど、1周を全力で走ったり、2周を3分以内とか、3周を5分以内とか、時間が決まっていてクリアしないと1周にカウントされないとか、いろいろなメニューがある。走力のない子はもうずっと走っていて、よく倒れていましたよね。 阿波野 気持ち悪くなって戻してもいいようになのか、その期間の昼ご飯って、そうめんが多かったよね。とんかつとかだとなかなか出てこないから。 与田 胃に優しいものが多かったですよね。吐いたときのことまで考えていたのかもしれません(笑) 阿波野 僕も1年生のころは本当にスタミナがなかったから、そうめんしか食べられなかった。でも、夏を乗り切ると、心身ともにちょっと強くなるよね。 与田 そうですね。結構、強くなります。もうなんか腹が据わるというか。1年生が辞めるのも8月くらいまでがほとんどですよね。 阿波野 でも、食事で言うと、1年生のときはまともに食べられないから体重は落ちるよね。 与田 キャンプ中は食事もルールがあって、まず総監督の矢野(祐弘)さんが「いただきます」と言って味噌汁をすする。 阿波野 「ふぅ~」みたいな声が聞こえて、ああ、総監督が飲んだな、と。 与田 次に監督の内田(俊男)さんが味噌汁を口にされて、そこから4年生、3年生、2年生、1年生と食べ始めるんですが、上の方たちが全員、口にするまでは下の学年はジッと見ていて、絶対に食べ始めてはいけない。 そうすると1年生が食べようとするときには、もうおかわりの時間。「おい、おかわり」と言われて「はい」と返事してよそいに行く。席に戻る暇ものなく、また「おかわり」の声がかかる。そうこうしいていると食事の時間が終わってしまう。 阿波野 結構、たくさん人数がいたからね。 与田 「ごちそうさまでした」と言ってから、慌てて5分くらいでかき込むだけ。おかずがまともに残っていないときもありましたしね。
【関連記事】
- 【つづきを読む】「洗濯で夜は寝られず手が血だらけに」「先輩が寝るまでマッサージとうちわ」…大物OBたちが《日本一厳しい》亜細亜大野球部では「生真面目でも、いい加減でもダメ」と語る「深い理由」
- 【つづき】亜細亜大学野球部大物OB対談「プロになれた理由」と「“日本一の厳しさを”乗り越えたからこその感動」…「恋人の手紙に一緒に涙した仲間」「伝説のドラマで一体になれた上級生」「真剣にハラをくくってくれた恩師」
- 【はじめから】侍ジャパン・井端監督も出身!「地獄、刑務所と表現したOBも」…阿波野秀幸氏と与田剛氏が振り返る「日本一厳しい」《亜細亜大学野球部》での「想像を絶した日々」
- 「初激白」今江敏晃前監督が電撃解任後、初めて語る楽天の「真実」
- 「キヨシが始めた物語、ついに完結」DeNA優勝の礎築いた中畑清、12年前の秘話「俺があの時監督に固執したワケ」