アスリートがケガをしたらSNSはNG?――プロサッカー選手 川澄奈穂美がSNSの反応に感じたこと
ワールドカップ優勝をともに経験した仲間たちとの絆
2011年3月――。東日本大震災が起き、日本中が重い空気に包まれていた。それから3カ月後に行われた女子ワールドカップで、なでしこジャパンは悲願の初優勝を遂げる。この優勝が、暗く鬱屈した日本に一筋の光を差し込んでくれたのは間違いない。日本にとっても、女子サッカー界にとっても大きな出来事だった。 ――川澄選手のブログを見ていると、今も当時のなでしこのチームメイトと仲良く交流しているのが印象的です。 川澄奈穂美: 本当に、今でも気持ち悪いくらい仲が良いんです(笑)。さっきも鮫島(彩)から電話が来たんですけど、特に用事があったわけでも無くて、普通に「なにしてるの?」みたいな感じで。 一緒にワールドカップで優勝して喜びを分かち合ったとか、そういう思いはもちろんあるけど、ただやはり、そこに至るまでにすごくしんどいことを、長い時間かけて一緒に乗り越えてきたので、そりゃ心のどこかで繋がるよね、繋がらずにはいられないよね、という感じですね。 今はSNSもあるので、アメリカにいてもみんなが走っている姿、体を張っている姿を見ることができます。私も頑張らなきゃって心の底から思えるし、近くにはいなくても自分のことを奮い立たせてくれる、本当にかけがえのない存在です。
引き際は考えていない。これからもサッカーを追求
なでしこジャパンの一員として数々の栄光を手に入れ、現在は遠くアメリカの地で「プロ」としてプレーを続ける川澄奈穂美。キャリアを考えれば、「ベテラン」と言っていい域にある。それでも、彼女は今もまだサッカーを「追求」し続けている。 ――サッカー選手として多くのものを掴んできましたが、これから先、たとえば選手としての引き際を考えることはあるのでしょうか? 川澄奈穂美: ほとんど考えていないです。自分がサッカーを追求することは若いころから……今も若いですけど(笑)、ずっと変わらずに続けていますし、これからもそうなんだろうなと思います。ただ、経験を重ねてすごく感じるのが、やっぱり応援してくれる人がいるからこそ、サッカーを続けられる自分がいるんだなということ。そこはすごく感謝しています。変な話、スポーツをするうえで自分の親が応援してくれるならわかりますけど、赤の他人が応援してくれるって奇跡的なことじゃないですか。 そういう人たちのパワーを自分のエネルギーに変えて、ここまでやってきたし、これからも頑張っていける。そういうことはこれからも表現していきたいし、たとえば10年後もきっとサッカーをやっているんだろうなと思います。サッカーが大好きですからね。 (聞き手・文:花田雪) ※この動画記事は、ラブすぽとYahoo! JAPANが共同で制作しました