倖田來未に聞くコロナ禍で感じる生ライブへの思い「エンタメを止めてはいけない」
アーティストが一番輝けるライブは有観客
──ライブについて改めて感じることがありましたか。 倖田:先日も旦那さん(BACK-ONのボーカル&ギター、KENJI03)のライブを見にライブハウスに行って、その前にはLiSAちゃんや舞台などにも足を運びましたが、生ライブに勝るものはないなと感じました。声が出せなくても拍手だけでも、お客さん一人一人のパワーが一気に集まってくるから、凄い臨場感があって。アーティストが一番輝けるライブは、やはり有観客だと思いますね。
コロナ禍でも「倖田來未自身はアップデートした」
──コロナ禍でのエンターテインメントの存在意義については。 倖田:エンターテインメントを作り出すには、インプットして自分自身が感じてアウトプットする。コロナで、インプットしにいくことができなくなって、「自分にインプットする時間は凄くストレス発散なんだ」、「エンターテインメントがないと、自分は大丈夫と思っていても、心の中は滅入って下がっているんだ」と気づいたんです。12月6日(デビュー記念日)に限定シングルとして新曲「100のコドク達へ」という、倖田來未史上最大と言って良いほど、すごく切ない楽曲を出したんですが、最近、凄く切ない曲ばかりを選んで歌ったり聴いたりしてしまう。エンターテインメントを楽しめていないから、そういう心境になるのかなと思って。 私自身も明るい気持ちや前向きになれたり、背中を押されるのはエンターテインメント。一人の人間が、一人の歌手がこんなことができるんだと、そんなエンターテインメントを見せたり、見たり。凄いエネルギーですよね。だから、エンターテインメントを絶やしてしまうと、人はどんどん暗くなってくるんじゃないかと個人的に感じて、「エンタメを止めてはいけない」と。コロナ禍のつらい状況で、ルールがある中でどうやってエンターテインメントをやろうかと考えたり、ライブが難しいならトークショーに変えてみようとか、その場その場で臨機応変にチャレンジしました。 バタバタでしたが、限られた環境の中でも、考えれば、なんとかできるんだなって。いろんなことを経験できた2年でした。だから、倖田來未自身はアップデートした感じがあるんですよ。YouTubeに振り付けレクチャーの「How to Dance」動画を公開したり、インスタライブでファンの方と絡んでみたり、トークショーでファンの皆さんに会いにいったり、やったことがなかったことに挑戦して、歩みを止めることがなかった。やっぱり人間諦めたものが負けですよね。