倖田來未に聞くコロナ禍で感じる生ライブへの思い「エンタメを止めてはいけない」
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で公演の中止や延期が相次ぎ、今も厳しい状況が続く“エンタメの街”大阪。2025年「大阪・関西万博」へ向け「音楽の力で大阪を元気に!」、「エンタメ界やライブの復興を」と、大阪府・大阪市・大阪文化芸術創出事業実行委員会が主催となり企画したライブイベント「大阪MUSIC LOVER -Road to 2025-」が12月17日・18日、大阪城ホールで行われる。趣旨に賛同した関西ゆかりのアーティストが集い、馴染みの代表曲を通じて「元気」や「癒し」を届ける。チケットはワクチン接種証明または陰性証明で手頃に購入できるものと抗原検査キット付(事前郵送)の2種類で、「安心」してライブを楽しめる。出演者の一人、倖田來未にコロナ禍で感じるライブやエンタメへの思いなどを聞いた。 【拡大写真】純白のドレスに通天閣や大阪の街のプロジェクションマッピングという演出で熱唱する倖田來未
デビュー20周年、有観客でアリーナツアーを大阪からスタートさせた
デビュー20周年をコロナ禍で迎えた倖田は2020年9月から、「音楽やエンタメを止めたくない」と、日本のアーティストの先陣を切り有観客で20周年記念のアリーナツアー「KODA KUMI 20th ANNIVERSARY TOUR 2020 MY NAME IS ...」を大阪からスタートさせた。 観客数を収容定員の半分にし、感染防止対策を徹底。客席にフェイスシールドや普段なら飛ばす銀テープ(「どんな状況でもいつも一緒だよ」のメッセージ入り)を置くなどの配慮も。観客への思いから、「リスクがゼロではない中で、後ろ指をさされるかもしれない。いろんな思いを持ちながら来てくださった方もいる。本当にありがとう」と、涙をこぼした。
「自分がつらいとき、助けてくれたのは音楽でした」
──コロナ禍でのライブ、どんな思いがありましたか。 倖田來未(以下、倖田):自分がつらいとき、助けてくれたのは音楽でした。その音楽を止めてしまうと、ステイホームの中でストレスを抱えてつらい思いをしている人たちがどこで発散するの、という思いもあり、エンターテインメントでみんなが元気になればいいなという思いでライブを行いました。エンターテインメント業界が一番つらいときだったから、手を取り合ってやれたらと。初日を迎えて、スタッフはお客さんに音を生で聴いてもらえることに感動して泣いていたし、ダンサーも久しぶりにステージに立って1曲目から泣いて......、「楽しんでもらいたいのに、あなたたちが泣いてどうするの」って。みんな、幸せの涙を流しながらやっていました。 チームワークが良かったですね。スタッフもファンの皆さんも、ものすごく気を遣ってくれた。ファンの方は、いつもならライブ後に集まってアフタートークをして帰る、それも醍醐味の一つなのに、まっすぐ家に帰ってもらったし、スタッフも外食禁止。ルールの中でみんなが頑張ってくれていたから乗り越えられたし、感染者なくツアーを終えることができた。「良いライブにしたい」という思いが集まっていたと思います。 人数制限があり1日2公演。休憩も取れない感じでしたが、けっこう楽しんで、2回やるのが快感になってきました(笑)。やっぱり、どんな状況でもその場を楽しもうという思いが大事なのかなと。大変、大変と言うとしんどくなってきますよね。「楽しんじゃおう」という気持ちが良かったんだと思います。