美味しそうなものには、多くのAGEが含まれている。老化に影響する「糖化」原因のAGEを防ぐ(専門家が監修)
体内に溜まったAGEは何%ずつ排泄される?
すでに触れたように、AGEが初めて発見されたのは食べ物からだった。こんがり焼けたトーストやパンケーキ、アツアツの揚げ物やステーキといった美味しい食べ物にAGEはたんまり含まれる。 とはいえ、食べ物に含まれているAGEは、全部が全部体内に留まるわけではない。食事で摂取したAGEのうち、体内に留まるのはおよそ7%とされている。 「一方、溜まったAGEの約6%はおもに腎臓から排出されます。排出スピードの方が遅いので、体内に有害なAGEを溜めないためには、毎日の食事から入ってくるAGEを減らすことが先決です」 どんな食品にAGEが多いのか。そして食品からのAGEの摂取を減らすには、具体的にどうすればいいのか。 食べ物のAGEにいくら気をつけていても、体内でせっせとAGEを作るような食生活をしていたら、その害は避けられない。 余分な糖質から生じるAGEの害を避けるには、どの程度の糖質を摂るのが正解なのだろうか。 「通常は、1日3食で合計100~120gの糖質摂取が有効。太っていて肥満も一緒に解消したいなら、糖質を1日60g程度まで減らしてみましょう」
シミもシワもAGEの仕業?
AGEの悪行はカラダの内側に爪痕を残すだけにとどまらない。見た目にも多大な悪影響を及ぼす。 同じ年代なのに、老けて見えるタイプと若々しく見えるタイプがいる。その差はおそらく、AGEがどのくらい累積しているかの差にある。なぜなら、AGEは、見た目年齢を一気に老けさせるシミとシワの要因でもあるからだ。 シミもシワも紫外線の害ばかりが注目されているが、AGEによるダメージも見逃せない。 シミの正体は、紫外線を浴びたメラノサイトが作るメラニンという褐色色素。加えて紫外線による酸化が糖化を進めると、皮下でAGEが増えてくる。AGEはお焦げだから、その茶褐色の色合いは、シミを一層目立たせる。 シワもシミと同様、紫外線で生じる。紫外線が皮膚深層のコラーゲンなどの線維を破壊し、肌の弾力や張りが失われてシワや弛みができるのだ。そこへ追い討ちをかけるのが、AGE。肌のコラーゲンなどにAGEが結びつくと、線維間に不規則で不自然な連なりが広がり、弾力も張りもなくなり、シワが深まり、弛みも重症化する。 現在はAGEの害を防ぐ点に着眼した化粧品も登場しており、皮膚老化を避ける一助となっている。気になる人はチェックしてみよう。