不織布マスクNG呼びかけた音楽フェス「感染防止よりおしゃれ優先か」など批判相次ぐ
27日~29日の3日間にかけて群馬県利根郡片品村にあるほたか牧場キャンプ場にて開催の野外音楽フェス「GLOBAL ARK 2021」が、参加者に対して不織布マスクの着用をNGとするルールを設けたことなどが物議を醸している。
酒類販売中止など対応とって開催も…
「コロナ対策で定評のある不織布マスクがNGとされ、代わりにデザインマスクなどのおしゃれなマスクを着用しようと公式サイトで呼びかけたことがわかり、参加者からも疑問の声が上がると同時に一気にネットが炎上状態になりました。主催側は手作りマスクやネックゲイターなど、要はかっこいいマスクでフェスを楽しもうじゃないかと呼びかけたのですがこれは失策だったといえるでしょう。会場のある片品村ではフェスの延期や中止を検討するよう、また不織布マスクNGの呼びかけについては公式サイトから削除するよう要請していたのですがチケットは完売、補償の問題などもあり結局は開催に至ったという流れです」(スポーツ紙50代男性記者) 不織布マスクをNGにしたのはマスクもいまやファッションの一部であり、会場は野外で換気もよくイベントは長時間に渡るので不織布マスクではないほうがいい、という理屈からのようだが完全に裏目に出たかっこうだ。ネット上には「クラスターが発生したらどうするのか」「周辺の住民はいい迷惑」「感染防止よりおしゃれを優先するのか」などといった疑問と批判の声が多数上がり続けている状況だ。 「主催側としても入場時の検温などはもちろん酒類販売を中止にするなど対策を取った上での開催とのことですが…飲酒についても全面禁止ではなく一人3本程度でテントやバンガロー内での飲酒なら持ち込みOKとするなど、いまひとつ釈然としないという声が多いのは事実です」(前出・スポーツ紙記者)
片品村は公式サイトで経緯を報告
片品村では28日、同村公式サイトに『「GLOBAL ARK2021 THE 10 th Anniversary in OZE-HOTAKA」のイベントについて』と題し開催に至るまでの経緯を報告する文章を掲載。「この度は、皆さまに大変ご迷惑、ご心配をお掛けして申し訳ありません」というお詫びの言葉から始まり、「片品村としては、群馬県が緊急事態宣言中のこともあり、施設の指定管理者である武尊山観光開発株式会社に対して、開催の延期又は中止等を含む検討要請を行いました」と説明。とくに群馬県緊急事態措置内容にある項目について強く要請したとして以下の項目を列挙した。 ・全国的なまたは広域的な人の移動が見込まれるものや、参加者の把握が困難なものについては延期又は中止を含めて慎重な検討・判断をすること ・酒類の提供をしないこと。(酒の持ち込みを含む飲酒の機会を設けないこと) ・適切な感染防止対策例を実践すること ・営業時間(イベント開催時間)は午後9時までとすること ・業界が定めた新型コロナウイルス感染症拡大防止ガイドラインの遵守 その結果開催となったが、施設利用の承認については指定管理者が行うこととなっており、片品村としては開催の延期や中止、内容変更などをお願いすることだけしかできないという。報告の文章は「大変お騒がせして申し訳ありません」と、謝罪の言葉で結ばれている。 (文・志和浩司)