DaiGo改めて謝罪 想像力も理解も足りなかった
路上生活者や生活保護受給者についての発言で物議をかもしたメンタリストDaiGoが14日、YouTube配信を通じ再度の謝罪をした。ネット上にはいまださまざまな声が躍っている。何があったのかここまでの経緯を振り返る。
「誰も人の生きる意味奪っていいということはない」
■8月7日 DaiGoが自身のYouTubeチャンネルで視聴者からの質問に答える形で「自分にとって必要がない命は僕にとって軽いのでホームレスの命はどうでもいい」「邪魔だしプラスにならないしくさいし治安悪くなるしさ」「生活保護の人たちに食わせる金があるのなら猫を救って欲しいと思う」などと路上生活者や生活保護受給者に関して発言。同チャンネルは登録者数約245万人超と影響力もありネットは炎上状態に。 ■8月13日 DaiGoは同チャンネルで一連の発言は差別的であり暴言であったと謝罪するも騒動は収束せず拡大。ネット上には「優生思想に結びつく発言」「個人の思想を大衆の前で述べる域を超えている」「これを公に言えるのはホンモノのクズ」などとDaiGoを厳しく批判する声が続出する事態となった。 なお厚生労働省は「生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください」と、生活保護に関するツイートを行った。 ■8月14日 「生活保護問題対策全国会議」「一般社団法人つくろい東京ファンド」「新型コロナ災害緊急アクション」「一般社団法人反貧困ネットワーク」といった生活困窮者支援団体が「メンタリストDaiGo氏のYouTubeにおけるヘイト発言を受けた緊急声明」を発表。「著名なテレビタレントであり、YouTubeチャンネル登録者数が250万人にも及ぶ『インフルエンサー』であるDaiGo氏による今般の発言は、ホームレス状態の人に対する実態をみない偏見をさらに助長し、排除を誘導するものであり、さらに、生活保護に対する市民の忌避感をより一層強め、命をつなぐ制度から人々を遠ざけ、生活困窮者を間接的に死に追いやる効果を持つものです」などと問題点を指摘し発言を非難した。 また、DaiGoがアンバサダーを務める「霧島天然水 のむシリカ」(株式会社Qvou)公式サイトが出演CMの放送と広告起用を当面自粛し支援団体への寄付を行う方針を発表。同社は昨年11月から路上生活者への炊き出しなどの支援活動などを行っており今回の事態を重く受けとめたという。 こうした事態を受けてDaiGoは同日夜、自身のYouTubeチャンネルで『昨日の謝罪を撤回いたします【改めて謝罪】』と題し再度生配信で謝罪。ダークスーツ姿に神妙な面持ちで登場したDaiGoは「昨日からいろいろずっと考えたりしていたんですが先日の謝罪は単なる僕個人の反省にしかなっていない、真の意味で謝罪という形になっていないと考えてあらためて謝罪するためにこの生放送をさせていただきます」としてお詫びを開始。「想像力も足りなかったし理解も足りなかった」と反省の弁を述べ、生活保護を受けている人や受給者の家族に話を聞いたりブログを読んだりして勉強をしたと報告。「大変ひどいことをした。誰も人の生きる意味を奪っていいということはない」と深く頭を下げた。自身の発言については「ただでさえ苦しんでいる人にさらに苦しみを与えてしまう行為」「差別的であり、ヘイトスピーチであり、人としてあってはいけない行為」と反省している様子で、「生活保護を実際に受けているすべての方に深く謝罪させていただきます」と、深く頭を下げた。動画は約15分で、DaiGoは視聴者から寄せられるコメントを参照しながら謝り続けた。動画の収益はすべて慈善団体に寄付するという。 (文・志和浩司)