「No.1調査しませんか」は景表法違反なの? 広告主が知っておきたい不当な「No.1表示」の実態
公正なマーケティングリサーチの実現に向けて
不当表示を行ってしまった広告主は大きなダメージを受けるが、消費者にとっても問題は深刻だ。「誤った商品選択を促されることで不利益を被るだけでなく、“真っ当な調査の価値”が損なわれてしまう」と一ノ瀬氏は警鐘を鳴らす。 消費者における「No.1表示」の懸念点 1. 市場調査そのものへの不信感 本来、市場調査は消費者の声を新商品の開発や既存商品の改良に活かし、より良い消費生活に貢献するためのものだ。しかし、不当なNo.1表示によって「調査なんていい加減なものだ」「調査結果を信用できない」という不信感が生まれると、健全な企業活動が成り立たなくなってしまう。 2. 公正なランキング調査への回答を妨げる 悪質なイメージ調査は、質問項目が少なく、手軽に回答できるものがほとんどだ。謝礼ポイント目当ての簡単なアンケートに慣れてしまった調査対象者は、本来あるべき公正かつ詳細な調査に対して拒否反応を示してしまう。 最後に、「景表法違反に対する責任は全て広告主が負うことになっている」と再度強調した。 ┌────────── 不当表示をしてしまい、社会的制裁を受けた後になって「騙された」と嘆いても、誰も助けてはくれません。まずは信用のおける調査会社や広告会社を選定するとともに、管理・監督の仕組みを社内に作っておくことが大切です。中小企業でそれだけのコンプライアンス体制を整備できない場合には、経営者の方が必ず最終確認を行うことをおすすめします(一ノ瀬氏) └────────── ┌────────── 繰り返しますが、“No.1調査”と営業をかけられたら、まずは疑ってください。重要なのは、きちんとした調査を行って、商品の改善や開発に落とし込み、消費者にベネフィットとして還元すること。そうした努力の結果として「No.1」があります。「No.1調査」という安易な言葉に踊らされず、本質を見極めてほしいです(小林氏) └──────────