「No.1調査しませんか」は景表法違反なの? 広告主が知っておきたい不当な「No.1表示」の実態
┌────────── 消費者庁が問題視しているのは、たとえばその商品・サービスを利用したことがない人を含めてウェブサイトを閲覧させ、「イメージ」だけを聴取して「満足度No.1」などをうたうといったものです。 高評価表示についても同様です。「医師の90%が推奨する」などの表記は、実際に医師の診療科と一致しているなど、商品・サービスを評価するに当たって必要な専門的知見と対応していなければなりません(一ノ瀬氏) └──────────
これらの事例については、すでに多数の措置命令が出されており、違法であることが明確にされているという。 ┌────────── 実際に行政処分を受けて社会的信用を失い、倒産してしまったというケースもあります。一方で、処分を受けたにもかかわらず、社名や代表者、電話番号だけを変え、同様の事業を繰り返す企業もあり、問題は深刻化しています(一ノ瀬氏) └──────────
調査会社に丸投げは危険! 広告主に課される3つのペナルティ
では、不当表示を行った広告主に対しては、景品表示法上どのようなペナルティが与えられるのだろうか。一ノ瀬氏、小林氏によると、以下のように3段階に分けて行政処分や刑事罰が下されるという。 1. 措置命令 違反行為を止めるよう命じる(強制力あり)とともに、消費者に対して発信した誤情報を正すための訂正広告を行うことが求められる。 2. 課徴金の納付命令 不当表示によって広告主が不当な利益を得たと認定された場合には、課徴金の支払いが命じられることがある(違反期間中の売上高の最大3%。過去10年以内に同種の課徴金納付命令を受けている場合には最大4.5%)。 3. 刑事罰 さらに悪質な場合は刑事罰が科される(法人の場合、3億円以下の罰金)。 これらの違反情報は一般に公表されるため、前述の通り、企業の信用失墜やブランド価値の毀損につながると一ノ瀬氏は指摘する。 ┌────────── なお、現行法ではペナルティの対象は広告主に限定されており、不公正な調査を実施した調査会社や広告表現を立案した広告代理店は罰せられません。広告主には、こうした業務委託先に対する管理監督責任があると定められています。そのため、私たちも広告主に対して繰り返し注意喚起を行っています(一ノ瀬氏) └────────── ┌────────── しかし、今回の調査によると、15社中14社の広告主が「調査会社に調査を丸投げしており、質問内容等は一切確認していなかった」という報告が上がっています(小林氏) └──────────