ホントに四角いうんちをする唯一の動物、超硬いお尻で身を守るオーストラリアの人気者
オーストラリア本土と周辺の島々の草原や山林に生息、有袋類のヒメウォンバット
ヒメウォンバットは大きくずんぐりした哺乳動物で、オーストラリアの本土と周辺の島々の草原や山林に生息している。同じウォンバット科のケバナウォンバットは鼻が体毛で覆われているが、ヒメウォンバットは鼻がむき出しになっている。 【関連写真】ヒメウォンバットのホントに四角いうんち 子どもは未熟な状態で生まれ、母親の腹部にある袋の中で成長する有袋類だ。カンガルーやコアラのようなほかの有袋類と異なり、ヒメウォンバットの袋は頭側ではなく足側が開いている。おかげで母親が地面を掘っているときに、土が袋に入らない。 彼らは単独生活の草食動物で、お尻を使って敵から身を守る。立方体のふんをする唯一の動物として特に有名だ。
外見
ヒメウォンバットは中型犬ほどの大きさで、体長1メートル近くまで成長する。ずんぐりした丸い体に灰褐色の体毛をまとい、短く力強い四肢を持つ。爪は頑丈で鋭く、穴掘りを得意とする。 ほとんどの有袋類と異なり、ヒメウォンバットはげっ歯類のような門歯を持つ。門歯は一生伸び続けるため、硬い植物をかじって削る。
生息地と防御
頑丈な爪を使って大きな巣穴を掘り、通常、1つの巣穴で最長4日寝て過ごすと別の場所に移動する。そのため、いくつもの小部屋をトンネルがつなぐ複雑な構造になり、ほかの小型哺乳類がしばしば避難場所として利用する。 かわいい外見とは裏腹に、彼らは捕食者から身を守るすべを持っている。軟骨、脂肪、毛皮に囲まれた頑丈な下半身の背骨は、盾のような役割を果たす。 脅威を感じると、ヒメウォンバットは巣穴に逃げ込み、お尻で入り口をふさいで上半身を守る。念のため、捕食者に強烈な蹴りを食らわせるかもしれない。 巣穴の周辺では、キツネやディンゴのつぶれた頭蓋骨が発見されている。一部の科学者は、よろいのようなお尻を使い、巣穴の天井で捕食者の頭を押しつぶしているのではないかと考えている。 ヒメウォンバットは子どものころから母親と練習したり、ほかの子どもと格闘ごっこをしたりすることで、この自己防衛方法を習得する。