まさかの空振り失態も…なぜ渋野日向子は連覇を狙った全英女子OPで通算12オーバー105位で予選落ちしたのか?
新型コロナウイルスによる中断が長期に及んだ影響で試合勘も鈍っているのだろう。そのなかで生命線となるアイアンショットでしっくり来ていないと、渋野自身も強く感じている。ラウンドしているすべての選手を苦しめ、スコアを落とさせているリンクス特有の強風だけが原因ではないという危機感が、渋野をして「経験、経験と言っている場合じゃない」と言わしめた。 「だんだん悔しくなってきたというか、何か他のことを考えないとちょっとやっていけないというか。つらいという思いがあったので、(途中で)お菓子やおにぎりを食べたりしていたんですけど、やっぱりショットにはつながらないですし、結局は練習するしかないんだな、と思いました」 ホールアウトした時点では確定していなかった予選落ちが、数時間後に正式に決まった。もっとも、時間の経過とともにカットラインが下がってきても、2日間で12オーバーという結果では決勝ラウンドへは進めないと覚悟していたのだろう。ホールアウト直後のインタビューを終えた渋野は「いやぁ、全然できなかった」と自らにカツを入れるかのように、大きな声をあげている。 「ショットに関しては、本当にポンコツでしたね。自分がしっかり成長してショットに自信をもって挑めるようになって、また帰ってきてリベンジしたいと思いました。それ(連覇への重圧)よりも自分のショットに対しての不安というか、そっちの心配ばかりしていた2日間でした」 今後は日本へ帰国せずにアメリカへ渡り、2つのメジャー、ANAインスピレーションとKPMG全米女子プロを含めた複数の大会に出場する。リンクスコースの洗礼を受けた渋野は「これから先も経験、経験と言っていられないので」と屈辱を糧に、必ず巻き返してみせると最後にようやく笑顔を浮かべていた。