「若い子には勝てない」自分はおばさんと自虐する40代女性にコミュニケーションコンサルタントが伝えた「年齢のレッテルを剥がす方法」
〈年齢のレッテルを剥がす方法(1)〉年齢マイナス20歳
40代の頃、私は自分を見失っていて、「占い」にはまりました。 39歳で離婚して、これまで築いてきたものをすべて失っていた。「一体、何が楽しくて生きているのだろう」と考えると、絶望的な気分になります。 自分が今、どういう状態なのかを客観的に知りたくて、あちこち回って占い師の言葉を聞いていました。 「おままごとのような生活が終わったということ。これからが本当の人生だ」 「あなたは人よりも多くの色が見える。その特性を生かした仕事をするといい」 「大器晩成ですね。しかし、晩成するにはもう少し時間がかかります」 当時、さまざまな占い師に言われた言葉です。かなり著名な人もいました。 どれも当たっているような、当たっていないような……考えれば考えるほど、わからなくなりました。 そんなとき、知り合いの占い師がこういう話をしてくれたのです。 【年齢から20歳引いた年齢】が社会人年齢と考えるんだ。ひきたさんは、今、40歳。20引けば、20歳。つまり【社会人ハタチ】だ。ひきたさんは、今ちょうど、社会人として成人したようなもの。生きていく上での、甘い、からい、苦いがわかってきた。ここから大人としての人生が始まるんです。60歳の人ならば、20引いて【40歳】。ちょうど今が働き盛り。まだ体力もある。十分な経験もある。今が一番、脂がのっているんです。定年退職でもう人生終わりだ、なんて考えるのはもったいない。 若い子は確かに羨ましい。「あの輝き、あの躍動感は私にはもうない」と思う感覚もわかる。 でも、この占い師に倣えば、43歳のあなたは、今【23歳】になります。23歳といえば、楽しい学生生活が終わって、社会人としてデビューする頃。不安も多いけれど、目の先には、【23歳】からスタートする人生が前途洋々に広がっている。――そんなふうに考えてみるのはいかがでしょうか。
〈年齢のレッテルを剥がす方法(2)〉37歳で年齢を止める
子どもの頃、母が懸賞のハガキを書いているのを見ました。年齢を書く欄に「37歳」と書いていました。 「うそだ! 41歳なのに!」と私が言うと、「お母さんは、37歳で年齢を止めたの」と言って笑いました。以降、母の書くものを見ると、いつも年齢の欄には37歳と書いてあったのです。 その母の言葉です。 自分が何歳になったかなんて気にするのは、人間だけ。犬は、自分が何歳かなんて、知らないで生きているでしょ。だったら、自分の好きな年齢で止めればいいのよ。37歳で止める。そのあとの誕生日は、年齢を重ねるものではなくて、“自分だけにやってくる特別な記念日”くらいに考えればいい。年齢になんて縛られることはないでしょ。 私は、母のこの言葉に深い感動を覚えました。 母の教えに従い、私は「19歳」で年齢を止めています。 それは浪人生だった年です。苦しい時期でしたが、学校をはじめ組織に縛られることがなかった。「合格」というゴールを決めて、コツコツと努力をした。その頃の気持ちを忘れたくないと考えました。 母は今年、92歳です。健康診断結果は「オールA」で、しっかり歩くこともできます。多分、心の中は、37歳なのでしょう。 私もいい年齢になってはいるものの、未だに現役の学生たちから流行りの音楽やファッションを教えてもらっています。大人ぶって「自分はこれを知ってる」という思いで心を閉ざすことのないよう、19歳の気持ちで生きています。 年齢なんて、人間が考え出した便宜的なものです。 理想の年齢を設定して、愉快に生きてみるのもいいのではないでしょうか。