「若い子には勝てない」自分はおばさんと自虐する40代女性にコミュニケーションコンサルタントが伝えた「年齢のレッテルを剥がす方法」
〈年齢のレッテルを剥がす方法(3)〉年齢を(かっこ)に入れる
しかし、これはあくまで年齢に対する考え方の話です。実社会で19歳のように振る舞うのは難しいですね。 ならば、普段の生活ではどうすればいいか。 心理学者の河合隼雄さんはこんな方法を語っています。 「年齢を(かっこ)に入れる」 年齢を無視してしまうと、人から「いい歳をして!」と言われる。かといって年齢を意識しすぎると「もう歳だ!」と動けなくなる。そこで、「むぎまる(43歳)」と、年齢を(かっこ)に入れるのです。 まずは、年齢を無視してやりたいことをやってみる。失敗したらかっこ内の年齢を眺めて「やっぱりダメだったか」と笑えばいい。 はじめから「43歳だから」とあきらめるのではなく、失敗したときの口実に「43歳だからね」と使うのです。そんな気の持ちようもあります。
「若い子には勝てない」というレッテルを剥がそう
年齢を重ねながら、さまざまな経験をする。これはちょうど、絵を描くときに使うパレットにたくさんの色がのせられていくようなものではないでしょうか。 若い頃、「悲しい」と言えば、単色のブルーしかなかったのに、経験の中で、インディゴや藍色やくすんだサックスブルーのような青系の色が増える。それによって、「悲しみ」に濃淡がつけられるようになる。 あなたの言う「若さに代わる図々しさ」とは、感情の色数が増えて、いろいろな思いに対応できるようになったことではないでしょうか。 そんなふうに、歳を重ねて得たものもたくさんあるはずです。 国民の平均年齢が、50歳に迫ろうとしている今の日本。むぎまるさんは、まだ平均年齢にすらなっていません。 年齢のレッテルを剥がし、年齢をうまく使いこなして、暮らしていきませんか。 人生とは、自分で物語をつくっていくことなんですから! 「年齢なんて、便宜的な数字にすぎない」と考えてみる。すると、今のあなたの素晴らしさがきっと見えてきます。 若いだけが価値あることじゃない。年齢が若くても、心が老化しちゃっている人はたくさんいます。年を重ねて得たあなたの価値に自分で気づけるように、肩の力を抜いて、今の自分を肯定してあげましょう。 ひきたよしあき スピーチライター、コミュニケーションコンサルタント。(株)SmileWords代表。大阪芸術大学放送学科客員教授。早稲田大学法学部卒業。元(株)博報堂クリエイティブ・ディレクター。政治家、行政、大手企業のスピーチライターとして活躍し、現在は企業や各種学校をはじめ、JFA(日本サッカー協会)、浄土真宗本願寺派などでも講義。世代間のコミュニケーションギャップ、価値観や言葉遣いの違いなどを分析し、コミュニケーション能力を高める方法を伝授している。教育WEB「Schoo」、朝日小学生新聞WEB「みんなをつなぐ新聞」などでも人気を博している。『5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』(大和出版)他著書多数。 ひきたよしあき著/江夏潤一イラスト 協力:辰巳出版 辰巳出版 Book Bang編集部 新潮社
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