タケオキクチ、メンズビギ、日本のメンズファッションを牽引してきた菊池武夫の5の逸話
ちなみに、タケオキクチだけでなくメンズビギなど多くのブランドを手掛けてきた菊池氏だが、服作りの際に「トレンドを意識したことはない」のだそう。菊池氏の前にトレンドはなく、後を追わない、先を行く。今を生きる菊池氏だからこそ、意識するのではなく、感じて、自らがトレンドを作り出している。
菊池武夫の逸話⑤「齢85歳にして現場で指揮をとる情熱とバイタリティ」
ビギの立ち上げ時からリアルクローズを追求してきた菊池氏は、2004年、「リアルクローズとは、着る人の対象年齢に合った発想が必要」との考えから、若い世代にブランドを託すことを決めて勇退し、新たなブランド「40CARATS & 525」を立ち上げる。だが、その8年後の2012年、菊池氏のデザインやスタイル、哲学が疎かになっていると感じ、クリエイティブディレクターとしてタケオキクチの現場に復帰。その時点ですでに73歳である。その後、渋谷明治通りに旗艦店をオープンし、2015年には13年ぶりに東京コレクションでロンドンのカルチャーとコラボしたコレクションを発表した。2024年で85歳を迎えた今も、自身が培ってきた考え方とスタイルを後に残すべく、現場で辣腕を振るう菊池氏の情熱とバイタリティがタケオキクチを成長させ続けている。 40周年を迎えた2024年は、ブランドの原点に立ち返り、過去のアーカイブアイテムをモチーフに現代的にアップデートさせた最上位ライン「ザ・フラッグシップ」をスタート。このレーベルでは、ブランド創業時に「ブランドの名前ではなく、商品そのものを見てほしい」との思いで作った、白地に白文字の「ホワイトタグ」を復刻させている。
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