MLBデータで検証…阪神新外国人ボーアは成功するか?
阪神の新外国人、ジャスティン・ボーア(31)の評判がいい。キャンプ序盤から、ランディ・バースの再来だ、クレイグ・ブラゼルを彷彿とさせる、との声がある。ボーアのメジャー時代のデータをもとに救世主となれるかどうかを検証してみた。 昨季のエンゼルスでの数字(打率.172、8本塁打、26打点、出塁率.259、長打率.364、OPS.623)は、170打席の数字。一塁にはアルバート・プホルス、指名打者には大谷翔平がいたことから出場機会が限られ、この分母では評価が難しい。なのでSTATCASTのデータが存在する2015年まで遡って傾向を調べてみたが、基本的には左投手に弱い。 年度 打席/打数 打率 本塁打 打点 出塁率長打率 OPS 2015 75/68 .221 0 9 .293 .279 .573 2016 30/30 .233 0 2 .233 .300 .533 2017 98/85 .259 6 21 .333 .494 .827 2018 147/125 .192 2 12 .306 .264 .570 2019 29/24 .167 0 1 .310 .208 .519
左投手が投げるコースとしては、外角低めがオーソドックスだった。 コース別の打率(図1)を見ると、真ん中高め、外角高めの打率が高い。メジャーでは、投手は、そこをうまく避けて攻めていた。
では、球種別の傾向は(図2)はどうか。 これを見ると、4シームとスライダーが60%に近い。
その2球種に絞ったコース別の打率(図3)を見てみる。
真ん中低めのボールに強いが、外角の低めのボール球は打てていない。捕手目線だと、右斜め上から左斜め下に向かっての対角線上に4シームかスライダーを投げておけば、高い確率で打ち取れることになる。 また、外角低めのボールになるスライダーは40%以上の確率で振ってくる。2ストライクの場合、50%以上。カウントにかかわらず空振りする確率は74.55%もある。 ボーアが成功するためには、ここのコースに投じられるボールを振らずに我慢することが重要になるだろう。 ちなみにどんなタイプの左投手に弱いのか。 サンプルになるほど特定の投手と対戦していないので難しいが、ジオ・ゴンザレス(ホワイトソックス)とは12回対戦し、10打数1安打。ゴンザレスはスライダーを投げないが、大リーグ平均以上の大きく曲がるカーブを投げる。 スライダーピッチャーのアダム・モーガンとは11打数4安打だが、6三振。彼のスライダーは横に大きく曲がるタイプで、そのスライダーで空振り三振が3つ。ヒットも3本だが、ハードコンタクトは1本だった。 では、対右投手はどうか。 すでに報じられているがボーアは左方向にもホームランが打てる。