MLBデータで検証…阪神新外国人ボーアは成功するか?
過去5年の打球方向(図4)を見ると、もちろん、右翼が一番多いものの、逆方向の左翼席への一発も少なくない。
コース別の本塁打数(図5)を見ると、真ん中から外角、外角高めの球を多くスタンドまで運んでいる。
ホームランを打った主な球種はというと、以下のようになっている。 4シーム 32.5% スライダー 18.1% チェンジアップ 16.9% 2シーム 14.5% これはただ、打ち取られたときの配球比率と極端には変わらない。 4シーム 32.5% チェンジアップ 20.0% スライダー 11.0% 2シーム 10.5% (いずれも参照・Baseball Savant) そもそも右投手はどうボーアを攻めていたかだが、コース別に見てみると、左投手同様、外角低めが多い。
だが、いくつかの本塁打を映像で確認すると、その低めを狙った球が浮き、ボーアが仕留めているケースが少なくなかった。昨年6月11日、前田健太がチェンジアップを左中間へ運ばれたのが典型例か。あの時も捕手は、外角低めいっぱいに構えていたがコントロールミス。それをボーアが見逃さなかった。 とはいえ、打ち取られる確率が高いのも、データ的には外角低めだ。ボールが外角に外れていても、30~40%の確率で手は出してしまう。そこを相手バッテリーに徹底されれば苦しいだろう。 ただ、ボーアが外角低めに狙いを絞り、軽く合わせただけで左翼スタンドに放り込んだ打席もあった。日本の球場の広さを考えれば、外角低め中心の攻めに対して頭を使い配球を読めば対応は可能ということにもなる。 相手投手からすれば、ボーアを抑える上で、最も効果的なのは、多くの日本人投手が操るフォーク/スプリットになるのだろう。 低めのボール球は追いかける率も高く、さらに空振りを取れる確率も高い(図6)。ボーアの側から見れば、メジャーではあまり見かけないこの球種にどう適応できるかが、成功の可否を握る。