「実は競技中に…」やり投げ金メダル・北口榛花選手が偉業達成の裏で感じていた異変 緊張、悔しさ、反響、そして今後。パリ五輪を終えた思いを語る
「(拠点の)チェコに戻ってからも、行きつけのカフェでお祝いしてもらえて、すごく楽しい時間を過ごせた」 ―競技の合間にカステラを食べたり、寝そべったりと、これまでと同じルーティンが注目されるなど、五輪の反響は予想以上に大きかった。 「ほんのちょっとしたことでも取り上げてくださって、本当にうれしいなという気持ち。あんなに食べているところばっかり写っているとは思わないぐらいだった(笑)。世界陸上の後もすごく反響はあったが、世界陸上を見ている人は、陸上が好きな人が多い。そうじゃない方々も五輪は見てくださったかなという印象が強い」 「最善を全て尽くせたと感じている。その分、精神的にも肉体的にも反動が大きかった。本来であれば、8月25日のダイヤモンドリーグにも出る予定だったが、欠場を選んだ。疲れた状態で出てけがをするよりは、試合を減らしてでもいい状態に戻した方がいいと思った。そのぐらい五輪で金メダルを取ることに真剣だった」
―日本陸上界では、男子ハンマー投げの室伏広治さん、女子マラソンの野口みずきさんが頂点に立った2004年アテネ大会以来の、五輪での偉業達成となった。 「今の若手は04年に生まれていない子も多い。陸上で金メダルを取る姿を、私が見せられて良かった。今まで日本人が取ってきた種目ではない種目で取れたことも、固定観念から外れるいいきっかけになってくれるといいなと思う」 ―海外に挑戦することも含めて、日本の陸上界がさらに発展していくことが期待される。 「海外に行くことが全て正解ではないが、海外で試合に出ると、日本の試合がすごく整備されていると感じると思う。雰囲気を経験するとか、外国の選手と友達になるとか、どんな状況でも試合をしやすい環境をつくっていくことがすごく大事。チャンスがある選手は、どんどん海外に出ていくべきだと思う」 「特に世界大会への出場には、世界ランキングのポイントも必要になってくる。日本だけでためるより、海外の試合にも出ながらポイントをためた方が、代表入りの確率も上がる。ちゃんと計算して計画的にやらないと、代表に入ることも難しくなってきてしまう」