【闘病】「乳がん」を早期発見・治療できた理由 『わずかな異変』から発見できたのは…
乳がんになる女性の割合は増加傾向にあり、今では一年に9万人以上が乳がんと診断されているというデータもあるほどです。お話を聞いたのは、自覚症状は全くなかったにもかかわらず、人間ドックをきっかけに乳がんが発見された坪井さん(仮称)。 【本人提供】手術跡。部分切除後2カ月半から始めた放射線治療の時の写真 予期せぬ診断に驚きつつも、手術と放射線治療を経て、今では元気に仕事に励んでいます。乳がん経験を通じて、感じたことや読者に伝えたいことを話してもらいました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2024年8月取材。
*きっと大丈夫、と思っていた 編集部: 最初に不調や違和感に気づいたのはいつですか? 坪井さん: 人間ドックでエコーとマンモグラフィを毎年受けていました。その結果、「要精検」の通知が来たのが最初です。 再検査の予約をしたと知人に話すと、「私も再検査を受けたけど何でもなかったから大丈夫」という人が3人もいたので、「そんなものなんだ」という気持ちでマンモトーム生検を受けました。 マンモトーム生検とは、乳房内の病変に約5mmほどの針を刺して組織を吸引・採取する検査なのですが、とにかくとても痛くて、結果がどうこう考える余裕もないうちに終わりました。 編集部: そこからどのように診断となったのですか? 坪井さん: マンモトーム生検の結果を聞きに行った日、医師の机の上にレポートがあり、話を聞く前に「悪性」の文字が見えてしまいました。 「あんなに痛い目にあったけど、きっと何でもないと言われる」「精密検査に行ったことのある知人が3人とも何でもなかったのだから、きっとわたしも大丈夫」と思い込んでいたので、血液が逆流するような衝撃でした。 頭が真っ白になりそうだったのですが、「しっかり先生の話を聞かなくちゃ」と、そこはがんばって耐えました。 編集部: 先生からの話はどのような形でしたか? 坪井さん: 非浸潤性乳がん。ホルモン陽性・ステージ0とのことでした。乳管や小葉の中にがん細胞がとどまっているのがステージ0です。検査技術の向上で、ステージ0で見つかることが増えているようです。 先生は、私が傷つかないように話してくれていました。最初は頭が真っ白でしたが、十分なデータを示してくれていたので、迷うことなく信頼して治療に向かおうという気持ちが生まれました。