もっと取りたい「体にいい炭水化物」、体重減少も 実は白米のご飯も冷ますだけで大変身!
難消化性でんぷんは5種類
難消化性でんぷんには5つのタイプが存在し、含まれる食品や、それぞれがもつ栄養効果が異なっている。 タイプ1は、でんぷんが細胞壁などに囲まれていて、消化酵素がでんぷんまで届かないもの。全粒粉や精製度が低い穀物(キヌアや玄米など)、種子、豆類、一部のマメ科植物に含まれる。 タイプ2は、でんぷん自体が消化されにくい構造をもつもの。グリーンバナナ(熟していないバナナ)、生のジャガイモ、一部のマメ科植物、高アミロースコーンスターチなどに含まれている。 研究では、タイプ1とタイプ2を摂取することで、血糖値の上がり方や、インスリンの効き具合、腸の機能、炎症マーカーに良い影響を与えることが示唆されている。 タイプ3は、水と一緒に加熱してから冷ましたジャガイモや米(冷やご飯)、パスタ、オート麦などに含まれている。「調理して冷ます過程が、難消化性でんぷんの量を増やすのです」と、カミリー氏は言う。 2015年に学術誌「Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition」に掲載された研究は、炊きたての白米、炊いてから常温で10時間冷ました白米、炊いてから冷蔵庫に24時間入れたあと再加熱した白米を比較している。 その結果、冷蔵後に再加熱した白米は、炊きたての白米と比べて難消化性でんぷんが2.5倍以上も多いことがわかった(常温で冷ました白米も2倍に増えていた)。また、冷蔵後に再加熱した白米を食べた場合には、炊きたての白米を食べた場合よりも血糖値の上がり方が緩やかだったという。 カミリー氏によると、難消化性でんぷんを食事に取り入れるには、ポテトサラダ、パスタサラダ、ライスサラダを作るのもおすすめだという。 一方、タイプ4は、自然には存在せず、化学的な処理を施されたでんぷん(加工でんぷん)のことを指す。これらはスープのとろみ付けや、焼き菓子や加工食品のつなぎとして加えられる。 研究では、タイプ4の難消化性でんぷんを摂取すると、その後の血糖値やインスリン値の上がり方が緩やかになることが示されている。 そしてタイプ5は、でんぷんと脂質を組み合わせることで消化しにくくしたもののことだが、比較的新しく登場した分類のため、効果についてはまだ十分に解明されていない。