コロナ禍に円安…でも意外に悪くない? 日本経済と日本株
インフレで米国経済は急減速
他方、欧米はインフレの苦境に直面し、製造業とサービス業がともに減速基調にあります。米国のサービス業PMIは47.3となり、4カ月連続で節目の50を下回りました。また製造業PMIは49.9とついに50割れを記録しました。50割れはパンデミック発生直後の混乱期を除くと2009年9月以来で初ですから、米国経済の急減速を浮き彫りにした形です。 このように日米のPMIは「日本>米国」が鮮明となっており、日本経済の相対優位を示しています。むろん、過去数年の経済成長を絶対水準で議論すれば依然として大きく水をあけられていますが、方向感として現在の日本経済が欧米対比で良好なのもまた事実です。企業収益に関しても米国株の予想EPS(先行き12カ月の一株当たり利益)が下を向く反面、日本株は緩慢ながら増加基調を維持しており、これが日本株の相対優位を説明していると考えられます。当面、日本株の相対優位が続くと予想します。
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