阪神D1位・伊原陵人、地元の奈良・橿原市で即戦力左腕としての決意表明「1年で駄目だったらクビだと思っている」
阪神からドラフト1位指名を受けた伊原陵人投手(24)=NTT西日本=が19日、出身地の奈良・橿原市役所などを表敬訪問した。即戦力として期待される左腕は「1年で駄目だったらクビになると思っている」と、新人らしからぬ覚悟を激白。地元の熱気に思いを新たにしたルーキーは、日々全力で野球に打ち込み、息の長い選手を目指していく。 ドラフト会議で指名され、藤川監督からあいさつを受け、仮契約も結んだ。徐々に実感を帯びてきたプロの世界を前にすれば、ルーキーなら誰もが希望で胸を膨らませる。ただ、虎のドライチ伊原は少し違う。地元・橿原市で口にしたのは悲壮感いっぱいの意外な決意表明だった。 「自分は1年で駄目だったらクビになる、と思っている。即戦力というのもありますし、年齢的にもほかの高校生とは違う。そこは大事かな、と思います」 プロ志望届を提出した大商大時代にはドラフトで指名漏れを経験。NTT西日本で腕を磨き、2度目の挑戦で夢の舞台のスタートラインに立った。ただ、社会人出身は大卒以上に即戦力として評価される。D2位の今朝丸(報徳学園高)とは6学年も離れているように、1年目から相応の働きを求められる立場。左腕はシビアな世界に飛び込むことを早くも自覚している。 そのうえで「長く野球をやりたい」と、息の長い選手を目指していく。理想は43歳となった今季限りで現役引退した日米通算165勝の和田毅(元ソフトバンクなど)、来年1月で45歳となる通算186勝の石川雅規(ヤクルト)の両左腕。またNPBを離れながら引退せず、今季はドイツで現役を続けた元阪神の久保康友は、母校・八木中の大先輩だ。 「毎年、一生懸命やった結果が20年とかにつながっていると思う。『10年やろう』と思ってやっている選手はいない。一年勝負だし、一日勝負。『その日にアカンかったらクビになるんじゃないか』ぐらいの気持ちじゃないと駄目」 智弁学園高、大商大、NTT西日本で日々を全力で過ごしたからこそ、プロの道が開けた。ルーキーであっても1年目から背水の陣で臨むのは、伊原にとっては当たり前だ。