“世界一”アストロズは大谷翔平を日ハム時代映像まで使い丸裸にしていた
エンゼルスの大谷翔平(23)が24日(日本時間25日)敵地でのアストロズ戦に先発、7奪三振6安打4失点の内容で6回途中に降板。その後、一度、逆転を許したため大谷に勝ち負けはつかなかった。メジャー自己最速となる101マイル(163キロ)を2球マーク。前回の降板理由となった中指にできたマメの影響は見せなかったが、5四球を与えるなど、制球が安定していなかった。 大谷を攻略したアストロズの地元メディアであるヒューストン・クロニクル紙も「大谷はスプリッターに冴えがあったが、彼の制球は不正確だった。色々な球種の武器や持っている才能に驚かされることはなかった」と厳しく論評した。 同紙によると、試合後、名将、AJヒンチ監督は、「チームが試合前に大谷の日本時代(日ハム)とメジャーで3度の先発試合ビデオを揃えてくれた。それらのビデオは非常に役に立った」と、日ハム時代の映像までを取り寄せて、対策を練ったことを明かしたという。 この日の大谷は、98球を投げて、フォーシームは37球、スプリットが34球、スライダーが23球の内容で、フォーシームよりも変化球の割合が多く、しかも、これまでに比べてスライダーを多投したが、2回、二死からアストロズの先制点につながるレフト線二塁打を放ったアレックス・ブレグマンは、同紙の取材に対して配球を読んでいたことを証言した。 「彼が、遅い球(変化球)を多く使うだろうということは試合前からみんなが頭に入れていた。おそらく(キャッチャーの)マーティン・マルドナドが、そういう配球をしてくるだろうと。去年マルドナドは、遅い球をリーグで最も使うキャッチャーだったんだ。我々は、そのデータを知っていた。大谷は、その球を良く制球していたがね」 昨季“フライボール革命”と呼ばれた独特の打撃戦略で、ワールドシリーズチャンピオンとなったアストロズは大谷を丸裸にしていたのだ。 それでもチームは7つの三振を奪われた。大谷に対する警戒心は対戦して、なお増大したようだ。 5回無死一塁から初球の96マイル(約154キロ)のフォーシームを狙ってバックスクリーンにたたきこむ2ランを放ったデレク・フィッシャーは、「大谷は厳しい球を投げていた。スプリットや、右打者よりも左打者へ多く使っていたスライダーの何球かは、厳しい球だった。100マイル(約161キロ)も投げる。バッターは、そのフォーシームに対応する準備をしておかねばならない」というコメントを同紙に残している。