【40代・50代におすすめ温泉】東鳴子温泉「旅館大沼」の湯守・大沼伸治さんに聞く「現代湯治」のススメ
違う泉質の温泉をはしごする「重ね湯」なら相乗効果も!
ミワ 今回の旅では、いくつもの違う泉質の温泉に入れたのも楽しかったです。 大沼 当宿によくお越しいただく温泉ビューティ研究家の石井宏子さんによると、そういうのを「重ね湯」と言うそうです。たとえば、おふたりは昨日、鳴子温泉の「滝の湯」に入って、その後でここの「母里(もり)の湯」に入りましたよね。「滝の湯」は強酸性の硫黄泉で、「母里の湯」は中性の含食塩重曹泉。pHも泉質もまったく違う温泉です。この2つの重ね湯で何が起こったかというと、殺菌作用のある強酸性の硫黄泉で肌の老廃物が落とされ、含食塩重曹泉のコーティング効果で保湿されたのです。だから、肌がしっとりツルツルになったでしょう? ミホ 確かに私、肌が弱いので硫黄泉にあまり長く入ると肌が荒れちゃうんですけど、その後で「母里の湯」に浸かったから、肌がしっとりしました! まさに天然のエステですね! 大沼 石井宏子さんは温泉のことを「地球の煎じ薬」とも呼んでおられましたが、重ね湯は、まったく種類の違う2つの地球の煎じ薬を頓服として飲んだようなものですよね。鳴子温泉の良さは、すべての温泉が源泉掛け流しで、ヨウ素泉、放射能泉以外はほぼ出るところです。だから、重ね湯が楽しめるんです。 ミワ なるほど、重ね湯、いいですね! 漢方薬みたいに、「この泉質とこの泉質を組み合わせると、こういう効能が得られる」的な、処方箋みたいなものを作っても面白いかも! ミホ 面白そう!定期的に湯治に来て、重ね湯したいです~!
2泊3日、食事付きもOKだから誰でも気軽にトライできる「現代湯治」
大沼 湯治の魅力は、「転地」にもあります。日常の喧騒から離れて、自然の中で過ごすと、気持ちも考え方も行動も変わります。ですからリフレッシュ効果が高いのです。日本には約3000カ所も温泉があるので、ぜひ足を運んでいただきたいですね。 ミワ 湯治というとハードルが高く感じる人もいるかもしれないけれど、今回、私たちが選んだような2泊3日のプランなら気軽に湯治ができていいですね。 大沼 本来、湯治は自炊しながら長期滞在をして疲れを取ったり、心身の不調を癒したりするものでしたが、そんな古来からの湯治スタイルは忙しい現代人に合わなくなってきました。ですから、「旅館大沼」では、自炊をせずに食事付きも選べる、2泊3日からの「現代湯治」を提唱しているのです。1泊2日の旅だと、どうしてもタスクをこなす旅になってしまいますが、もう1泊あると思うと気持ち的にもゆったりしますよね。転地をして非日常空間でゆったり温泉に入るだけでも、十分に湯治効果は得られます。ですからもっとみなさんに気軽に湯治をしていただきたいです。ワーケーションもできるので、1週間ほどワーケーションをされるお客様もいます。そういうスタイルも「現代湯治」のひとつですよね。 ミホ 湯治しながらのワーケーション、憧れます~。私たちの世代になると、つい設備や食事やサービス重視で温泉宿を選びがちだけれど、不調が起きやすいこの世代だからこそ、お湯重視の「湯治」をすすめたいわね、ミワさん。 ミワ 湯治は、素晴らしい日本の文化。それを守るべく、私たちもこれから毎年、湯治しましょうね! 百年ゆ宿 旅館大沼 〒989-6811 宮城県大崎市鳴子温泉字赤湯34番地 Tel:0229-83-3052