前代未聞の不祥事!鹿島ピトゥカがペットボトルを観客席へ蹴り一発退場。チームは「許容できるものではない」と謝罪&厳重注意も
30年目を迎えているJリーグで、スタジアムへ来場していたファン・サポーターに対する「乱暴な行為」を理由とする、前代未聞の退場処分が下された。 2日に県立カシマサッカースタジアムで行われた、鹿島アントラーズ対清水エスパルスの明治安田生命J1リーグ第6節で、後半18分に途中交代した鹿島のMFディエゴ・ピトゥカ(29)が、目の前にあった中身入りのペットボトルを左足で思い切り蹴り上げた。 これが一直線にメインスタンドへ向かって最前列の手すりを直撃。観客にペットボトル本体が当たり、激しく飛び散った水もかかった。谷本涼主審が即座にレッドカードを提示したピトゥカの行為に対して、鹿島も試合後に「いかなる状況でも許容できるものではない」と謝罪する声明を公式ホームページ上で発表する事態に発展した。
途中交代への不満をぶつける
一歩間違えれば重大な事故につながりかねない極めて危険な行為だった。 鹿島、清水ともに無得点で迎えた後半18分。日本代表帰りのFW上田綺世(23)との途中交代を告げられた鹿島のゲームキャプテン、ピトゥカが不満そうな表情を浮かべながらタッチラインを越えて、ベンチへ向かおうとした出た直後だった。 おもむろに助走を開始したブラジル出身のボランチは、勢いよく利き足の左足を一閃。ベンチ前に置かれていた、中身が入ったままのペットボトルを蹴り上げた。 ファン・サポーターが陣取るメインスタンドへ向かって、一直線に飛んでいったペットボトルは幸いにも最前列の手すりを直撃した。しかし、その瞬間にキャップが吹き飛び、中身が飛び散った映像からも威力の大きさが伝わってくる。 勢いが大きく削がれたペットボトル本体は、軌道を山なりに変えてメインスタンドに落下。その際に観客に接触し、水もかかったと鹿島が説明したピトゥカの行為に対して、即座に試合を中断させた谷本主審が問答無用でレッドカードを提示した。 試合後に発行される公式記録には、一発退場の理由として「乱暴な行為」が明記されていた。対戦チームの選手に対してではなく、ファン・サポーターに対する「乱暴な行為」での退場処分は、29年目を迎えたJリーグでも前例がない。 もちろん、ピトゥカ自身が意図した行為ではなかった。蹴りを見舞った直後からメインスタンドへ向かって手をかざしながら何度も謝罪し、レッドカードを提示した谷本主審に対して抗議もせず、素直に受け入れてロッカールームへと姿を消した。 しかし、怪我人が出なかったからといって、不問に付していいわけがない。試合後に公式ホームページを更新した鹿島は、急きょ発表した声明内でこう綴っている。 「このような行為は、いかなる状況においても許容できるものではなく、クラブとして非常に深刻に受け止めております。当該行為により危険が及んだ方々やスタジアムに来場されたお客様をはじめ、すべてのフットボールファンならびに関係者の皆様へ深くお詫び申し上げます」(原文ママ、以下同じ)