なぜ渋野日向子は全米女子OP最終日に首位転落したのか?
「前よりも『アメリカでやりたい』と思えた。そして今回、戦ったことで、その時よりもさらに強く思った。この悔しい気持ちはアメリカツアーでしか晴らせない。またここで絶対に戦いたい」 そして、こう続けた。 「来年はやっぱりアメリカツアーに参戦するためにも、スポットで出させてもらえる試合で結果を残すことと、あとは自分で作り上げ始めた、この新しいゴルフを完成に近づけていけるように努力したい」 新しいゴルフを完成させるためのヒントも得た。 キム・アリムの怒涛のフィニッシュを間接的に把握し、いい意味でメンタル的にも開き直った15番以降の4ホール。前述したようにすべてでパーオンを成功させ、最終18番(パー4、381ヤード)ではロングパットをど真ん中から沈めて意地のバーディーを奪取。トレードマークとして海外のメディアやゴルフファンも注目する、会心の笑顔を輝かせた。 「最後はいい締めができたとは思います。だからこそ悔いはないかな、と」 4位に終わってメジャー2冠獲得を逃した結果そのものには「悔しさ」を募らせても、どん底の状態から取り組んできた、自分を生まれ変わらせるためのトライの数々に「悔い」は残していない。 自己改革の延長戦上に正確な技術と、チャンスを絶対に逃さない強靱なメンタルを融合させた姿を思い描きながら、2020年の最終戦を右肩上がりで終えた渋野はしばしのオフで鋭気を養う。