ヴィッセル三木谷会長も「マシ」と矛先を収める…W杯予選出場後の代表国内組の隔離期間が14日から6日に短縮決定
JFAの田嶋幸三会長とJリーグの村井満チェアマンが連名で、期間短縮を求める嘆願書を政府へ提出する準備が進められていた。しかし、反町委員長は「その前にある程度、今回の話がまとまったと聞いている」と交渉の舞台裏を明かした。 嘆願書は作成されたものの、まだ提出されていなかった。三木谷会長がツイートを介して世の中へ発信した怒りが、反町委員長をして「政府が非常に早く対応した、という形になるかもしれません」と言わしめる状況を生み出したことになる。 27日に中国代表、2月1日にはサウジアラビア代表と対戦するアジア最終予選の前に、JFAはウズベキスタン代表との国際親善試合を21日に組んでいた。オフ明けとなる国内組に、試合勘と試合体力を取り戻させる狙いがあった。 しかし、オミクロン株への水際対策として、外国人の新規入国が全面的に停止されている状況下で、ウズベキスタン選手団の入国が認められずに中止となった。一方で中国とサウジアラビアは、ワールドカップにつながる戦いは公益性と緊急性が高いと判断した政府が、特例での入国を許可して予定通り実施される。 その際に政府から求められた、従来よりもさらに厳格な防疫措置のなかに含まれていた国内組への隔離措置を、反町委員長は「日本代表の海外組が入国して海外のチームと試合をする、という状況から生まれてきたと理解している」と位置づける。 ただ、実際に2週間隔離された場合、所属クラブへの合流は最短で2月15日午後となる。2022シーズンが開幕する3日前であり、12日のFUJIFILM SUPER CUP(日産スタジアム)に臨む川崎フロンターレ、浦和レッズの選手は必然的に出場できない。 もちろんJFAとしても、昨年からスポーツ庁を含めたさまざまなルートを介して、隔離期間の短縮に関して交渉を重ねてきた。そのなかでオミクロン株に対する社会的な考え方の変化が、そして三木谷会長が喚起した、感染者の濃厚接触者でもないのになぜ隔離されなければいけないのか、という問題意識が政府の背中を押した。 その三木谷会長は17日夜に、再び自身のツイッターを更新している。 「代表選手が一番感染リスクが低いと思うし、オミクロンの重症化リスクは相当低いことを考えると、科学的、論理的、法的根拠はなく納得し難いが、6日は14日よりは『マシ』ですね。厳しい対策を取れば、支持率も上がるのだろうけど、孤独化、経済などダメージは甚大だ。」 おそらくは隔離措置の撤廃を望んでいた本音が「納得し難い」や、あるいは「14日よりは『マシ』ですね」から伝わってくる。それでも覚悟を決めてアジア最終予選のメンバー入りを目指す国内組にとっては、間違いなく朗報となる。