台湾全土を徒歩で1周、その距離3856km!生活藝人・田中佑典さん「台湾微遍路」への挑戦
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台湾全土を踏破し、台湾の道という道を知り尽くした田中さんにおすすめ区間を聞いたところ、3つの区間を教えてくれました。田中さんの言葉で語ってもらいましょう。 ◆【東澳~南方澳~蘇澳】台湾で最も美しかった、これぞ“負荷”価値の高い海岸線 海に囲まれた台湾。東西南北、エリアごとに海の表情もグラデーションのように変化します。中でも最も美しかった海岸線は東部の花蓮と北東部の宜蘭の東澳~南方澳~蘇澳まで続く「蘇花公路」の海岸線です。 蘇花公路は大型トラックをはじめ車輌の多い道路で、全ルートは急勾配もあり、相当きつかったルートでした。だからこその“負荷”価値、青の絵の具を落としたような美しい海岸線は一生忘れられない美しさでした。 東澳や蘇澳に入ると冷泉(冷たい温泉)が各地にあります。歩いて火照った体をクールダウンし、東澳の小さな食堂で食べたトビウオの刺身と炒め物が僕のお気に入りの微遍路飯。 現在昨年の地震の影響のため一部通行止めもありますが、台北から在来線や直通バス(南方澳行き)などで最寄りの駅まで向かうことができます。是非ともルートの一部分でも自分の足で歩いて“負荷”価値を感じてもらいたいです。 ◆【鶯歌~大溪】知られざる桃園で発見した最高の散歩道 「桃園」と聞くと「空港」のイメージが強く、ほかに何があるかわからない人も実は多いはず。 陶器のまちで有名な「鶯歌(新北市)」から桃園市の大溪まで約12キロ、ゆっくり歩くと4時間くらいの道のりです。 そのルートの中で、新北市と桃園市の間を流れる大漢溪沿いを歩く中で最高の散歩コースを発見しました。 「中庄吊橋」を渡り、「月眉人工湿地生態公園」へ。特に11~12月の時期は木の葉が色づき、目の前には絵画のような美しさが広がります。 暑くも寒くもない季節で歩くにも絶好のタイミングです。そこを超えると大溪の旧市街地(老街)へ。台北の「迪化街」に負けないバロック様式の建物が立ち並ぶ美しい街並み。名物の豆干は必食です。 ◆【基隆】何度来ても新発見、ぶらつきたくなる港町 微遍路の日々、街から街へと向かっていく中で、ぶらつきたくなる街や停泊したい街は数多くありました。目的の街に到着しても、街の中も歩くのが微遍路の掟。 白黒はっきりしたスポットやお店の間も、歩くことにより新たな発見があり、そこで暮らす人々の様子を目にすることができるからです。 台湾の北部最大の港町・基隆はぶらつくには最高で、実際に数日停泊した街の1つです。 かつて台湾北部の玄関口として栄えた基隆。「眠らない港町」とも言われている基隆は特に夜の散歩がおすすめです。ちょっと小道を入ると港町らしい小洒落たBARやカフェがあったり、舶来品屋の面影が残っていたり、ちょっとした迷子感が心地良い街。夜の基隆では、美味しいグルメが多いことで人気の廟口夜市で現地の食べ物を食べるのもおすすめですよ。 是非歩いてもらいたいスポットは深夜から明け方まで開かれる基隆最大の魚市場「崁仔頂漁市」。深夜に鳴り響く威勢の良い掛け声、お店の活気と熱気を肌で感じることができます。夜明けとともにこれまでの賑わいは嘘のように消え、基隆は朝を迎えます。