サウナやヨガで人気の赤外線療法、ホントに効果あるの? 専門家に聞いてみた
慢性的な痛みやけがから、うつなどのメンタルヘルスに育毛まで研究が続々
サウナやホットエクササイズで体を温める手段として赤外線が人気を集めており、慢性痛の緩和からストレスの軽減までさまざまな効果がうたわれている。従来の暖房が空気を暖めるのに対し、赤外線は人の体や床などの物体を電磁波(光)で直接温める。 ギャラリー:厄介な炎症では体を冷やすべきか、温めるべきか 写真と画像6点 米国ミシガン州でピラティススタジオ、パフォーミング・ファンデーションを経営するピラティスインストラクターのブルック・アレクサンドラ氏が初めて赤外線を試したのは、ライム病(マダニにより媒介される感染症)の症状を和らげるために赤外線サウナを使い始めたときだった。 「赤外線サウナで軽いピラティスをしたところ、可動域と関節への効果を感じました」 そこで、アレクサンドラ氏は自身のピラティス教室にも赤外線ヒーターを導入した。すると、生徒たちは睡眠、活力、頭のさえ、集中力、関節痛が改善したと口にするようになった。 これらの主張のいくつかはさらなる研究が必要だが、赤外線を適切に使用すれば、健康効果を期待できることが研究によって示されている。ここでは、赤外線療法について知っておくべきことを紹介しよう。
赤外線加熱とは?
赤外線は電磁波であり、波長によって遠赤外線、中赤外線、近赤外線に分けられる。赤外線ヒーターは赤外線を放射し、それが人の体や物体に伝わって熱を与える。 近赤外線は傷や皮膚の治療など、医療目的によく利用される。一方、遠赤外線はサウナやピラティス、ヨガの教室で最もよく利用されており、そのエネルギーは皮膚から約3.8センチの深さまで浸透すると、米クリーブランド・クリニックで総合的ペインリカバリー・プログラムの医長を務めるパバン・タンカ氏は説明する。 タンカ氏によれば、遠赤外線はより深く浸透することから、体を温める以上の効果が示唆されるという。具体的には、体のより深い部分にある免疫細胞などに影響を及ぼす可能性がある。 赤外線が人体に及ぼす長期的な影響についてはさらなる研究が必要だが、現時点の研究では、サウナやエクササイズ教室で使われているような弱い赤外線療法に深刻な有害性はないと考えられている。