日銀・黒田総裁会見1月21日(全文2)今年注視すべきはやはりコロナ
日銀の黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の21日午後、記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「日銀・黒田総裁が会見 金融政策決定会合後に(2021年1月21日)」に対応しております。 【動画】日銀・黒田総裁が会見 金融政策決定会合後に(2021年1月21日) ◇ ◇
金利変動の必要性への考え方を聞きたい
日本経済新聞:日経新聞の斉藤と申します。よろしくお願いいたします。イールドカーブの評価について伺いたいのですが、先ほどお話も出たとおり、アメリカの金利が上昇してきている中で、日本の金利も少し上がったものの、相対的に抑制されているという声も出ているかと思います。 それともっと長期とか超長期の金利の変動が大きくなるとか上がりやすくなるとか、そういったことを求める声もマーケットでは出ているかと思うんですけれども、これはまさに3月の点検でも論点になるかと思いますが、現状で総裁の長期金利、超長期金利の変動、上昇の必要性についての考え方を教えてください。よろしくお願いします。 黒田:先ほど申し上げたように、また従来から申し上げておりますとおり、このイールドカーブ・コントロールという仕組みは、現在まで適切に機能しておりまして、この枠組み自体を変更する必要はないと考えておりますけれども、その下での具体的な運営については、より効果的で持続的な金融緩和を実践する観点から点検の対象となるということであります。 点検結果を先取りするようなことは差し控えたいと思いますけども、イールドカーブにつきましてはこれまで2つのことを申し上げてきました。すなわち2016年9月の総括的検証において、超長期金利の過度な低下は保険や年金などの運用利回りの低下などの影響を及ぼす可能性があるというふうに指摘いたしましたけれども、現在でもこうした認識に変わりありません。他方で現在は、感染症の拡大が経済に打撃を与える中で、債券市場の安定を維持し、イールドカーブ全体を低位で安定させることが大事な状況であると考えているということも申し上げてきました。 そういったことを踏まえて、先ほどのようなことで、イールドカーブ・コントロールの枠組みを維持しつつ、その下での具体的運営についてより効果的で持続的な金融緩和を実現するべく、点検を進めていきたいというふうに思っております。